俳句披講 ― 第83回の句会で詠んだ句です。 小田原三福 ―


第83回句会
2012年10月20日の句会です。
| 秋の海力いっぱいの石投げる | 虹鱒 |
| 黄昏に銀杏つまみ鼻つまみ | 椿 |
| 秋ウララ静かなウララ海の街 | 空豆 |
| 水澄んで秋ははじまれば終わる | 虹鱒 |
| 金木犀老人となる文学館 | 空豆 |
| クモの巣に45度の秋が射す | 空豆 |
| 秋の影向こう側には城一つ | 空豆 |
| 竹垣の背丈そろわぬ秋の風 | 虹鱒 |
| 爽やかに城下町では人と会う | 道草 |
| ぐちゃぐちゃ脳みそ均(なら)すかないわし雲 | くらら |
| 焚き火して大事なもっくももっくもく | ポンチョ |
| 心根と魚を練るは今も昔も | ヒョウタン |
| 秋茄子の熟れて地面に届きけり | 道草 |
| 引き出しに鰹節の香の海っぺり | 空豆 |
| 秋の雲ひろげハンモックに乗りこむ | 道草 |
| 天からの梯子は箱根に神愛づ紅葉 | ヒョウタン |
| 斜めよりまっすぐ伸びて金木犀 | 翠柑 |
| 月出でて時雨のあいまに虫の声 | 椿 |
| 秋の陽に流離う旅人メキシカン | 翠柑 |
| もみじの葉幾重に吾と世を隔つ | ヒョウタン |
| 秋の蚊の巣食う文学館の庭 | 道草 |
| 大磯と箱根をつなぐ赤い桑 | ヤマイさん |
| いにしえを踏み分けブーツ城を背に | ヒョウタン |
| うそつきとかぼちゃの種を交換す | 翠柑 |
| つくるのも彩るものも秋の風 | 翠柑 |
| 蓋あけて小田原城と秋の空 | 虹鱒 |
| 松は皆ダンサーのごと秋高し | 道草 |
| 我がこころ穏やかじゃない秋深し | くらら |
| 青蜜柑むきてはじける笑顔かな | 椿 |
| 秋鮭も登りきらない陽気かな | 翠柑 |
| かまぼこを君の型にぬく夜長かな | 虹鱒 |
| 電線の鳩よりはるかに雲走る | ヒョウタン |
