俳句披講 ― 第82回の句会で詠んだ句です。 浅草名画座 ―


第82回句会
2012年9月17日の句会です。浅草名画座。
山中貞雄がアゴ振る愁思かな | 呼雲 |
稲妻や世界をふたつに分けるのか | 翠柑 |
口惜しやチラシを濡らす梨の汁 | 川獺 |
呆けたる祖母の手握り言い直す | 呼雲 |
名画座や身に沁みていて鳩よ | 虹鱒 |
栗ごはん栗いれわすれて母笑う | 苦椒醤 |
無花果の潤んだ声が聞きたくて | 翠柑 |
色無き風オランダ妻の睫毛(まつげ)梳(す)く | 苦椒醤 |
鉄火場に閻魔蟋蟀の群れる | 虹鱒 |
月の目でサボテン光り狂いだす | 翠柑 |
秋高ししょんべん映画館閉づる | 虹鱒 |
任侠道歩く背中に色葉散る | 頬白 |
名画座や煙草ぷかりプロ集う | 頬白 |
新涼や風逃がすまじ吾のスカート | 呼雲 |
爽やかに出歯の露天商逃げる | 道草 |
仁義切る出っ歯の男にレモンパイ | 頬白 |
仲見世をぶらりとゆけば鹿が鳴く | 頬白 |
秋の雨ちさき睫毛にぽたりとな | 頬白 |
手ぬぐいを胸元忍ばせ秋暑し | まみねこ |
手紙には敬老とだけ書いてあり | 虹鱒 |
浅草の喜劇役者に月の出る | 虹鱒 |
秋の蚊の昭和残侠伝を刺す | 道草 |
黒々とアスファルト濡れ秋暑し | 川獺 |
日が暮れてふと気付いたり秋の声 | まみねこ |
呑んで聴く夜長の志ん朝柔らかし | 呼雲 |
目配せの上達具合休暇明け | 苦椒醤 |
渡世(わたりよ)に男昭和穴まどい | 苦椒醤 |
休日の珈琲甘し月硬し | 呼雲 |
秋暑しバラし忘れたスカイツリー | おにかます |
初さんま箸持つ顔は書家のごと | 川獺 |
敬老の日に名画浅草今を生きる | 翠柑 |
さわやかに夕餉(ゆうげ)の匂ひ風に乗り | まみねこ |
撃つのなら真ん中を撃て敬老の日 | おにかます |
秋風や高倉健の目の開く | 道草 |
名画座に最初で最後仁義切る | おにかます |
天啓に従ったまで芋アイス | おにかます |
虫の声閉館したる名画座より | 道草 |
浅草のスターの手形鰯雲 | 道草 |