第74回句会
| おでん鍋猛者ども怯む湯気たちて | 海老車 |
| 竜の玉ついつい鼻を寄せにけり | 苦椒醤 |
| 小正月じゃない肩をつかむ奴 | 苦椒醤 |
| お年玉歯抜けの甥に初笑 | 歌葉 |
| 冬の波本能のまま高まれり | 虹鱒 |
| 微動だにせず水仙を撮る婦人 | 道草 |
| 湯たんぽの温み明け方にさびし | 海老車 |
| 盗人のふりして神のお年玉 | 苦椒醤 |
| 寒鯉や年中好きに食べています | 苦椒醤 |
| 晦日の上野パンダ舎後回し | 歌葉 |
| 食寝食もったり感の新年よ | くらら |
| 初夢や仕事繁盛平然たり | 歌葉 |
| 東京の女正月毒を抜く | 頬白 |
| 初詣一文字になる猫背のピッ | くらら |
| 熱燗に白旗あげてはしごする | 頬白 |
| しもやけやバタバタになるじいの足 | くらら |
| ぼんやりと眺む初刷のにぎわい | 海老車 |
| 初夢やチェーホフの筋追っている | 虹鱒 |
| ワンピースふわり風に揺れ春近し | まみねこ |
| 寒鯉のうねり重なり空に寄る | 道草 |
| 着ぶくれて節電の夜の息白く | まみねこ |
| 消え去りし記憶たどって湯ざめかな | 頬白 |
| 人参のシャキシャキ楽しみ脱食わず嫌い | まみねこ |
| 振り返り見ねば気付かぬ冬木立 | 道草 |
| 復活の兆し弾け飛ぶな初句会 | 歌葉 |
| ブランケットまどろみ浸し我溶けゆ | 海老車 |
| ゆきあそび穴掘り苗植えおじいちゃん | 頬白 |
| 温泉に裸体転がる息白く | 頬白 |
| 寄鍋の買物するや迷子に会ふ | 道草 |
| 年下のつもりでゴクリお屠蘇かな | くらら |
| 屋根に凧騒がしき子ら頬赤く | 海老車 |
| 帯ほどく重み伝わる賞与かな | まみねこ |
| 待合のストーブにある冗舌 | 虹鱒 |
| 初風に身ぶるいせぬは庭の石 | 具留斗 |
| 庭師はマスクして挑む王たる松 | 具留斗 |
| 初春に畳の薫る模擬の江戸 | 具留斗 |
| 松過ぎて江戸資料館暮なずむ | 道草 |
| 成人の日のどの顔も面白し | 虹鱒 |
| 年玉を貰いてはにかむ老父かな | まみねこ |
| 新年の誓い破れし全力出社 | 歌葉 |
| 燗つけてふすま一枚の新年 | 虹鱒 |
清澄白河で句会をしました。