第72回句会
| 朝寒の昨日の服のまま眠る | 地山 |
| 晩三吉お台場に待つ | 常盤 |
| キャッチボール少女鰯雲を掴もうとする | おけさ |
| マフラーや海浜公園には光 | 道草 |
| 新郎を眺めてばかりハゼ釣れぬ | 海老車 |
| つむじ風足元おそう犬っころ | おけさ |
| 小春凪目で追うばかり鱸の影 | 川獺 |
| 連なりて摩天楼縫う渡り鳥 | 川獺 |
| 冬の朝おはよう掃除夫レットイットビー | ひろし |
| よく見たらブス可愛いハゼの顔 | おけさ |
| 熱燗のせいで冬が来てしまった | ひろし |
| そのままそのままそのままそのままーあぁ | 常盤 |
| 主なき浮きの赤さよ冬の雲 | おにかます |
| ハゼ潜りカニ湧き出てくる潮だまり | おけさ |
| 散歩道スタッカートの初冬かな | くらら |
| 秋麗(あきうらら)婦人頬張る卵焼き | 海老車 |
| 干柿や薄暮に並んで消ゆるかな | 呼雲 |
| お月さんぞろ目ぞろ目や姿消す | くらら |
| お台場に足がすくんで薬喰い | おにかます |
| 都鳥追ひて書斎の父を見ゆ | 道草 |
| スモッグに乱反射する疑似餌かな | 道草 |
| 一昨年の年末賞与明細か | ひろし |
| ばあちゃんの誕生日にかりん煮る | くらら |
| 若人の肩越しに見る鯊の口 | 道草 |
| 股引の尻のあたりがたれており | 常盤 |
| あの人は生まれ変わるの鮟鱇に | ひろし |
| 色草釣りて東京タワー笑ってゐる | 海老車 |
| 暮れてなほ目印のごとおでん皿 | 道草 |
| 一月に別れる人のむいた柿 | 地山 |
| 波に似たむかしが帰る鰡が飛ぶ | 呼雲 |
| 焼いも日和超特急で腹空かす | くらら |
| 時間とは鯊が釣らるる焦りかな | 呼雲 |
| 底知れず空にしずめる冬の蠅 | 地山 |
| 鳥渡る夕暮れ魚は逃げる | 海老車 |
| 木蓮の香絶えて歩く月の下 | 地山 |
| 秋高し次の一手は浮かばない | 虹鱒 |
| 四五人で集める落葉いっぱい | 常盤 |
| 釣り人も俯いており冬夕焼 | おにかます |
| 若人ら眺むハゼ釣りのふりして | 海老車 |
| 珈琲と冷たい炬燵小六月 | 川獺 |
| 立冬や魔女うろうろと花開く | くらら |
| 秋暮れて自由の女神のおっぱいよ | 虹鱒 |
| 昨日まで無敵の蒲団だったの | ひろし |
| 鴨うかぶ海を手前にあたり待つ | まね |
| かもめ船帰りはどちらが早いかと | 虹鱒 |
| ひきちぎるカニとわたしがイソメとりあい | まね |
| 大仏と呼ばれた女神小六月 | おにかます |
| 新橋のジャズマンのジャケツかな | 常盤 |
| はじめてのデートできっと沙魚釣らむ | 虹鱒 |
| 波はゆれハゼをかくまうだがしかし | まね |
| 竿の先秋の曇天集まれり | 虹鱒 |
| 首に汗秋の昼風吹き抜けた | おけさ |
| 酔っ払い腹に抱えたゆりかもめ | 川獺 |
お台場(釣り・キャッチボール)