第71回句会
| 月影の肌よこいしやもどらんと | いちじく
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| 月明ハイデルベルグを解体す | 呼雲 |
| 月の海マラカス握りしめ眠る | ひろし |
| 酔月や男の靴と池袋 | いちじく |
| 秋日和電柱の影朝帰り | 海老車 |
| 目覚めればそれが朝なり演出家 | 虹鱒 |
| 朝寒や無菌室出て医者の卵 | 道草 |
| 夜勤明けてナースは肌をぬくめたし | 新葵 |
| 早朝の秋めく庭をデザインす | 道草 |
| 月を背に女を誘惑する稼業 | 苦椒醤 |
| 自転車は月に口笛帰路滑る | ひろし |
| 秋晴のプラネタリウムさようなら | ひろし |
| 粉飾に加担せり部長を眺む | 新葵 |
| 抜くならば暗月期かな親不知 | ひろし |
| 居待月サイレン鳴らすじっとみる | 海老車 |
| 秋の声午前6時のペンキ屋稼業 | 呼雲 |
| サッチモが一番映える月見かな | 常盤 |
| 言い訳を捨てて歩いて昼の月 | 頬白 |
| タクシーの会話フィリピンでの良夜 | 道草 |
| 叶わねば月見て事切れるもよし | 苦椒醤 |
| 琴の師と無月の下に待ち合わす | 虹鱒 |
| 豚骨が砕かれし音今朝の秋 | 新葵 |
| 月が泣くウェイトレスが余りおる | 呼雲 |
| 頼もしき西郷どんの玉袋 | 常盤 |
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| 「秋の食べ物」で「美味しい句」「形のいい句」 | |
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| 朝寒し湯気たつおこわつやめきて | 海老車 |
| 炊き込むと秋って気がするおひつかな | 苦椒醤 |
| 二しゃぶして目に沁む食べごろおにくかな | 新葵 |
| 夜着となり私は茄子の揚げびたし | 道草 |
| 秋の子の胎盤くにゅくにゅして生まる | 虹鱒 |
| じいちゃんにありがとぎゅっと栗ごはん | くらら |
| 甘栗や妻の歯形を見つけたり | 呼雲 |
| 未だ食わぬ松茸想像力よ勝て | 新葵 |
| 飲み干したる麦酒鰯雲浮かぶ | 海老車 |
| 松茸や鼻から抜けるシャバダバダ | くらら |
| 塩の香に甘いにおいの栗御飯 | 常盤 |
| 塩ぱらり揚げたて舞茸つまみ食い | 頬白
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| 新米や奥歯が思い出している | 虹鱒 |
| きのこピザ宴を終へて酒の当(あ)て | 道草 |
| 秋澄むや麻婆丼にレンゲを添へ | 道草 |
| 麗人の喰らう秋刀魚の肝苦し | 呼雲 |
| 秋鮭にごま白髪葱出汁かけて | 頬白 |
| ほどばしる肝は鵝鳥の秋気かな | 呼雲 |
| とっくりのくびれに新しき酒うるむ | 虹鱒 |
| あんこぬききなこおはぎを探す旅 | ひろし |
| 柿くへば句を作ろうかな正岡式 | ひろし |
| 真夜中の熟柿十指を吸ひ回す | 道草 |
| 芋洗いほっぺは赤しほくほくし | いちじく |
| 風邪持ちの舌にも松茸で在りたい | いちじく |
高田馬場「月と職業」「職業と朝」