俳句披講 ― 第68回の句会で詠んだ句です。府中競馬場。 ―


第68回句会
| 午前二時目を背(そむ)けたさ青無花果 | 頬白 |
| 海底(うみぞこ)であおぎ見ゆるは海月(くらげ)かな | 卍鰻 |
| 夏休なんとなく生きては疲れる | 虹鱒 |
| 蓮の根の沈む枕に転寝し | 海老車 |
| 枇杷食えば鐘は鳴るのか法隆寺 | 草冠 |
| 読物がまぶしくなって西日かな | 常盤 |
| 夏枯れて寝転び仰ぐ雲の峰 | 海老車 |
| 悪夢からすがる冷蔵庫の光 | 新葵 |
| 痩せ猫や油蝉飽くひと欠伸 | 海老車 |
| ベースライン脳内関門突破せり | くらら |
| 団扇置く句会場稍重になり | おにかます |
| 翁失す扇子の話ばかりなり | 秦葵 |
| 競馬場ターフの空や夏燕 | 道草 |
| 思い出をひろげてたたむ古浴衣 | 頬白 |
| 向日葵の顔に体調管理を問う | 道草 |
| サンダルの音高々と当り馬券 | 常盤 |
| 勝負師の乗り込む電車石榴咲く | 虹鱒 |
| 馬よ馬わたしより夏を駆けるな | 虹鱒 |
| 夏草やジョッキーの名を叫びおり | 常盤 |
| ギャロップ止んでなおざり薔薇園も日暮れ | 新葵 |
| 黒光り水馬(あめんぼ)ハンター彼の父 | 頬白 |
| 氷雨降る傘を投げ捨て飛び跳ねる | 頬白 |
| 雲の峰オッズとお札握りしめ | おにかます |
| 馬の尻覗いては飛ぶ夏燕 | 虹鱒 |
| そそっかしい娘の爪を赤く塗り | おにかます |
| チンピラの口ずさむかな流れ星 | くらら |
| 噴水の上がらぬ噴水口の黙(もだ) | 道草 |
| 府中発乗客六割丸裸 | 新葵 |
| ダービーや丸まる背中越しの空 | 海老車 |
| ゆっくりと歩けば気づく百日紅 | 常盤 |
| 背から湯気デンジャラスな暑さかな | くらら |
| 首傾ぐ立葵を後ろ手に | 海老車 |
| 滝壺のごとく駆けたる競走馬 | 道草 |
| こんな日に一丁前に蝉の鳴く | くらら |
| 夏終わるオケラ街道上着捨て | おにかます |
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