第66回句会
燈火油の匂い海が烟(けぶ)りゆく | 苦椒醤 |
廃校に塗りつぶすほどの夏の色 | 翠柑 |
花水木あたしを待っててくれたのね | くらら |
五月雨や二十四年も前の音 | 介介 |
ハンモック揺れをる先に夏の山 | 藻杏 |
正座して前歯にあてる蕗煮かな | 螺子丸 |
殺人の後始末みたい黴(かび)を拭く | 苦椒醤 |
芍薬を横槍に入れてみる | 苦椒醤 |
目の中のみどりゆらゆらハンモック | くらら |
石垣に山百合を置き海の見ゆ | 道草 |
夏服に収まりきらぬ無邪気かな | おにかます |
裸子や水にじゃれをる丘の上 | 藻杏 |
教室に切なさ響きて来(こ)りし夏 | 椿 |
うみとそらとみどりとちかくハンモック | 翠柑 |
右向け右俎上の青い夏蕨 | 螺子丸 |
海広し風縫う色のやわらかさ | 白楓 |
廃校を眺めつづけるハンモック | 虹鱒 |
空動くビューティホーサンデー風やさし | くらら |
はしゃぐ子のあしあと残るプール横 | 明 |
ハンモックそよぐ木のうた海のこえ | 椿 |
新緑を確かにせんと眼鏡拭く | 虹鱒 |
ハンモックが似合いますねとご挨拶 | 道草 |
薔薇ひらくブリリアントに赤と白 | くらら |
薫風や悪戯心めくれけり | おにかます |
いるならさいるっていって夏の海 | おにかます |
転覆のハンモックから豆三つ | 鬼笠子 |
夏休みはやく食べたいかきごおり | 明 |
若者のまなざしの先夏の音 | 明 |
はつなつの車両に浮き輪二つかな | 道草 |
薫風へ決めた名を呼びかけてみる | 新葵 |
廃校の窓に広がる夏の海 | 藻杏 |
もも色のくしゅくしゅになり八重桜 | くらら |
ハンモック揺らしてほしい三十路かな | 鬼笠子 |
ただよひて海にとけゆく我が心 | 椿 |
ソーダ水サイダーラムネポカリスウェット | 鬼笠子 |
たなびくや声も子どももハンモック | 翠柑 |
校庭に自信みなぎる雲の峰 | 虹鱒 |
片浦中学で遊ぼう。