第64回句会
朧月東京はまだ威張りをる | 虹鱒 |
木蓮の元に群がる煙かな | おにかます |
春眠や親子喧嘩を遠く聞く | おにかます |
春眠のパソコンの前光浮く | まね |
佐保姫やいっそトップレスなんぞ | 苦椒醤 |
春愁YOUTUBEに入りびたる | 常盤 |
囀りや染みとおるのち滲みゆく | 苦椒醤 |
平和ではない一本の白木蓮 | 道草 |
柔らかに吸う息ひとつ天地春 | くらら |
啓蟄やそろそろちゃんと生きようか | 苦椒醤 |
原子見つけてから春の風の不安 | 虹鱒 |
初蝶のお出かけですか並走す | 歌葉 |
何処(いづこ)かとトタン返して青き踏む | 呼雲 |
ブランコにゆれる幼子(おさなご)嫁菜摘む | 頬白 |
春雪やクロッカス全開うちのなか | 歌葉 |
花菜風汐留ビルの先っぽへ | 歌葉 |
災害来て何春愁ぞ俳句する | 常盤 |
地震夜独りで過ごす不倫女子 | 国立 |
春の闇小さき灯りで洟をかむ | 呼雲 |
かいくぐる勇気もなくて夢見月 | 頬白 |
こんにちはさよならまじる春の海 | 虹鱒 |
やっぱりねぼんやりがいい春のそら | くらら |
ざわざわわ混濁あらせ春の水 | 頬白 |
線路に沿い卒業生の祝花が落つ | 道草 |
木蓮の仰ぐ天かな飄々と | くらら |
春愁や汚れ一つなき兄の靴 | おにかます |
春の雷時を駆けるスニーカー | まね |
春愁や兎に角兎に角ラップする | 常盤 |
空を割る電線たどって帰る雁 | 呼雲 |
自転車ではじまる春の夜の逃避 | 道草 |
おこたの中足触れあってかりんとう | まね |
駒込・滝沢家で夜の句会。