第63回句会
新たな地徐々に減りゆく心の余裕 | 豆ひよこ |
鶯や我の頭にふんをして | 常盤 |
鶯やつぼみ膨らみ時を待つ | まみねこ |
薄曇り心晴れゆく鶯の音 | 豆ひよこ |
ヒモ結わくゆらがぬように春の夢 | 頬白 |
朝寝にも力強さが増しにけり | 常盤 |
ダンボール空っぽの部屋伊予柑むく | 頬白 |
日常の延長線に鳥帰る | 道草 |
からうめのふんわり香る午前9時 | くらら |
目をこする手やまぬのも春意かな | 常盤 |
久しぶり歴代の雛対面す | まみねこ |
棚の奥ぼたもち隠して含み笑い | 豆ひよこ |
今朝の夢ただただうぐいす色でした | 竹の子 |
パキッとなシャボン飛ばすや蝋梅よ | くらら |
ほれ愛でよ、つま先までも春風や | 竹の子 |
荷造りや匂ひでかえるあの時に | 豆ひよこ |
おじいさまは遠くにお引っ越しされた春 | 虹鱒 |
荷解(にほど)いて心新たに光射し | まみねこ |
引越しやほどよきころに腹が鳴り | 常盤 |
長閑さにそばをすすって帰ろかな | 常盤 |
ほっかぶりくわばらくわばら豆投げる | くらら |
近づけば下を向きたる椿かな | 道草 |
めくりめく日々に霞んだ春告鳥 | 豆ひよこ |
いざ行かんヤドカリの様にお引っ越し | 竹の子 |
昨日のスカートのしわ気にならん | 虹鱒 |
節分です来た春だのに寒いとな | くらら |
雛祭り息災祈る柔らかな午後 | まみねこ |
コノヤロー向かい風とは春一番 | 竹の子 |
伸び縮みゆらりと過ごす朝寝かな | まみねこ |
桃の花ゆれるカーテン荷ほどいて | 頬白 |
早春の別れと感謝部屋に言ふ | 道草 |
天国は春の夜の階段から入る | 虹鱒 |
静寂やうぐいすの谷始発待つ | 頬白 |
春隣フリーダムに声かける | くらら |
くちいっぱいほおばれわらべ鶯餅 | 頬白 |
越してきた兄弟の吹くしゃぼん玉 | 新葵 |
春の思ひ出ありすぎし部屋引っ越さん | 虹鱒 |
一人全裸窓すこし開け初音かな | 虹鱒 |
茶トラ猫布団と干してのどかかな | 竹の子 |
駒込で句会。席題「うぐいす」「引越し」