第62回句会

2011年1月23日の句会です。
神田明神・湯島聖堂で吟行しました。
追ふ者の追はれる背中冬木立道草
水仙を見て折り返す散歩かな道草
手袋を辿りてあなたに行き着く日苦椒醤
天は澄み銅貨無病と初参歌葉
まっしろロクデモナイいす水仙歌葉
風邪ひきや背骨は氷で出来ている新葵
ふゆの街絵画と捉えさし色ひろし
自動車の鉄引き締まる冬の朝ひろし
初句会安産願う誰それもくらら
短日のあの便りには耳があるP
ビル郡の中でぽっかり江戸景色一真
読初や季語らに今年もよろしくとおにかます
願い事するのも忘れて初詣竹の子
冷えますね蒸しパンひとつくださいなくらら
水仙や黒き聖堂に生まる虹鱒
寒空の蒼さに煌めく童声一真
外堀の水は冷たしオールは固し虹鱒
寒月を雲が煙る家近し苦椒醤
短冊の真白きことよ初句会虹鱒
目に映る色なき庭の冬紅葉頬白
七草粥いくつ思惑溶けており竹の子
初詣神田湯島とはしごするおにかます
参道を挟んで緩むこのリズム一真
街へ出よ手袋を失くしにいこう苦椒醤
陸橋にまだ一瞬の春隣新葵
しわしわのばばぁになっても姫はじめ竹の子
ストーブにまとわりついて寝入る夜まみねこ
バイバイと叫ぶあの子の手あかきくらら
真新し手帳に書き富む初句会頬白
毛たんぽや炬燵に住まうかまど猫歌葉
初句会神田神社に参拝す常盤
川底(せんてい)の蠢く流れに春を待つP
あけまして愛兎は宇宙行くP
初芝居チラシを持って宣伝す頬白
頬赤く吐く息白く冬日和まみねこ
大寒に溜めた風呂水捨てあぐねおにかます
たらふくにたらふく重ね寒椿くらら
社殿より飛び立つ鳩の初御空道草
くつくつと煮込む大根頬緩むまみねこ
凧あぐる走るや走る凧も見ず道草
待人はどこぞの軒で冬眠か頬白
邪恋などひいておみくじ運はよし翠柑
白色は青いと赤いの間に入るP
寒中の湯島聖堂足早に常盤
お詣りは感謝の後に私利私欲一真
装いの色賑やかに初句会おにかます
忘るるを上手に忘れ年初め翠柑
門朱く門黒くとも冬の空虹鱒
梅蕾見つけて想う近き春まみねこ
短日や居場所は狭くなりにけり常盤
寒鰤や生臭坊主のほくそ笑み苦椒醤
白菜のまるまる腹を割く音や歌葉
1月のショートカットと聖橋常盤
オイ、男黙っとけと鍬始竹の子