第61回句会
| サンドゥーンあたまからっぽくるりんぱ | くらら |
| 哭く女ピンハネされて冬の浪 | 常盤 |
| 小津の忌の小春日洗濯物多し | 道草 |
| 年忘れブラックニッカだけ残る | 虹鱒 |
| 鐘ひびくこれでいいのだ2010 | くらら |
| 冬ぬくし指の先からたしかめる | 虹鱒 |
| 富士山のてっぺん追いかけみかん山 | 翠柑 |
| 太ももとすれ違う街冬ぬくし | おにかます |
| 新しき靴を下ろす日冬ぬくし | 道草 |
| 盗品をリボンで結ぶ聖夜かな | おにかます |
| こだまする少年野球冬暖かし | 芭蕉布 |
| 前輪が宇宙を走る霜夜かな | 翠柑 |
| 去年今年やはらかにする予定組む | 虹鱒 |
| 日向ぼこ青瓦に射すオレンジ | 芭蕉布 |
| 冬ぬくしぬくぬく虫の朝寝坊 | 白楓 |
| 冬ぬくしトリスハイから啜り泣く | 呼雲 |
| 花盗むいたずら少女の目にも冬 | 白楓 |
| セクハラをしたくなる月、冬三日月 | 翠柑 |
| くつ下の穴堂々と忘年す | 常盤 |
| 重ね着のおんなの狭間盗み見る | 呼雲 |
| 母笑う歳月かたし冬の味噌 | 呼雲 |
| 冬天やポインセチア抱く大男 | おにかます |
| 冴ゆる夜星が音たてやってくる | 翠柑 |
| 冬麗吐く息白く給湯器 | 芭蕉布 |
| ラグビーの球に移りし武者震ひ | 道草 |
| 冬銀河盗みをはたらいた夜に | 虹鱒 |
| 瞬いていのち溢れる師走かな | 白楓 |
| 暖冬も伸び続けるまゆ毛かな | 常盤 |
| 冬の空鉄塔に烏何盗もうとす | 芭蕉布 |
| 落葉掃く物理学者は黙々と | 白楓 |
| 短日やささくれ剥くひと爪の紅(あか) | 呼雲 |
| 参道やキャンプファイヤー煌煌と | くらら |
| 盗んだと言はれ梟鳴きはじむ | 道草 |
| 千鳥足一本道をどこまでも | 常盤 |
| 忘るべきこと思い出す年忘れ | おにかます |
高円寺句会。席題「冬暖」「盗む」