第56回句会
| 日の真下めだかのうだる澱みかな | 新葵 |
| 細目ては青芝の彼ながめおり | 常盤 |
| 風が吹くいつかいつかの七月 | ひろし |
| 噴水の奥に子らのみ心地よく | 新葵 |
| 安香水堰切る君の洪水かな | 苦椒醤 |
| 前世はマグロの確信潜水す | 虹鱒 |
| 大人しく水族館にいる金魚 | 道草 |
| 山越えて西陽に追いつき置き去られ | 狗闇 |
| 水をふむ子ら声だけ雲の峰 | 常盤 |
| ひと掻きで身体置き去りバタフライ | ひろし |
| 観覧車大西日受け影伸す | 新葵 |
| 山女よひそやかな暮らしをする | 虹鱒 |
| 日曜の炎帝子らにはかなわない | 新葵 |
| 人魚姫猛夏の中で抱く女 | 虹鱒 |
| 泡にある顔眺めては山女かな | 常盤 |
| 暮れ空や揺れる気配の時雨雲 | 狗闇 |
| 日を浴びて水面を見上ぐ岩魚かな | 新葵 |
| 飛魚よ微笑み何処にくれている | 真田虫 |
| 前夜には死んだ蝿からいとおしく | 真田虫 |
| 酒はすぐ小便になり暮れぬ宵 | 螺子丸 |
| とけてahひっついてoh熱帯夜 | 苦椒醤 |
| 汗ひとつひとつにすぎぬ夏の恋 | 螺子丸 |
| 夏休み?の教しえに忠実に | おにかます |
| 鮫の肌喰らう麦飯の握り飯 | 虹鱒 |
| 蜘蛛背負う女の眼(まなこ)黒々と | 真田虫 |
| 昼間なら冷静でおり油虫 | 苦椒醤 |
| 夏痩のペンギン烏のごとく鳴く | 道草 |
| マンゴーとか昼白色とかそんな夏 | 苦椒醤 |
| 土用入訳あってカサゴ不在 | おにかます |
| 夏の猛者寄り合うは水族館 | 常盤 |
| 大伽藍行水の肌黒光る | 虹鱒 |
| 目の中に赤が広がるかき氷 | おにかます |
| 観覧車スローに墜ちて巴里祭 | 真田虫 |
| 夏来れば忘れるだけの永い夜 | 螺子丸 |
| 夏の庭だらり横切る汗タオル | おにかます |
| 解決は秋をまつビールの泡 | 螺子丸 |
| 噴水のなかに子どもが消えていく | 道草 |
| 夏雲や臨海都市はネオアジア | 道草 |
| そういえばわすれたものが多い夏 | 螺子丸 |
| 美味そうに見えぬ熱帯魚眺む | 道草 |
| 夕立を追い越しかへる望号 | 介介 |
| 珈琲に汗ばむ皮膚の薄暗さ | 狗闇 |
| 百万回アツイが響く鼓膜かな | ひろし |
| 話し声も届かぬ猛暑かな | 常盤 |
| 蝉潜る地面を叩く子の鼓動 | ひろし |
| 夏休み帳簿付けの父裸 | 苦椒醤 |
| 枝豆の殻の軽さよ眠り姫 | 真田虫 |
葛西臨海水族園を散策。