第55回句会
細胞や素麺賛成大賛成 | ひろし |
真心に触れたと思ふ団扇かな | 道草 |
鈴蘭やりんりんと白く笑いあう | 杏 |
シューシューと肩から蒸気麦茶かな | ひろし |
炎天の中ではしゃぐおやじおり | 夏色 |
短夜の月が怒涛のごと崩る | 道草 |
肉々しい二の腕今日もまた存在す | 夏色 |
うちわ増え涼しさは誰のものでなし | 虹鱒 |
駄菓子屋のラムネの文字下手くそ | 虹鱒 |
夏海の匂いだけして隅田川 | 新葵 |
よろめいて走る蜘蛛の子の無邪気 | 新葵 |
玉葱の染みる心に肉団子 | 白玉 |
洗濯物ごしの曇天路地入梅 | 新葵 |
海月ゆらゆら空蒼く | 杏 |
電気屋へうちわの風で足りなくて | 新葵 |
腕千切れる程扇げよという罰ゲーム | 苦椒醤 |
重いのよこの美しさがと芍薬散る | 苦椒醤 |
髪洗ふされど残りし情念よ | 竹ノ子 |
警官にふるさとを訊く薄暑かな | おにかます |
大あくびして六月の花嫁起きる | 虹鱒 |
てのひらで青梅ころがしもの思う | 杏 |
母の手のうちはがおくるあついかぜ | 夏色 |
夏うちわ風に追われて初俳句 | 杏 |
皿に降る冷やし中華の具材かな | ひろし |
食道を走れサイダー二塁ベース | ひろし |
若竹の七輪囲み芯をむく | 白玉 |
よく喋る見舞の帰り立葵 | ひろし |
噴水の見える範囲で会いましょう | 道草 |
妻たちの陰口あおる団扇かな | おにかます |
短夜ぞ明滅々(めいめつめつ)と死にゆく灯 | 苦椒醤 |
汗匂うこの身を肉を刻めたら | 苦椒醤 |
銭亀が私の背中しがみつく | 白玉 |
どんなもんじゃあんなもんじゃ月島のへそ | 白楓 |
蛍狩り衣擦れの音聞いてしまう | 道草 |
夕暮れに団扇がぱたぱた泣いている | 白楓 |
肉がまたおにくになります油汗 | 新葵 |
目の前が乱れないよう日傘さす | おにかます |
地獄煉獄酒池肉林飛ぶ黄金虫 | 虹鱒 |
夏空や肉切り包丁きらきらと燃ゆ | 杏 |
本日の青梅もまた純潔なり | 竹ノ子 |
空梅雨や肉屋の主背を向ける | おにかます |
一畳におし黙るなり団扇かな | 常盤 |
納涼を路地裏にまで持ち帰り | 常盤 |
腹鳴るやハンバーガーとソーダ水 | 常盤 |
血と汗と焼かれた肉と小麦と葉,白楓 |
バーガー馬鹿ばっかり並んで夏なんです | 白楓 |
短パンに誘き寄せられ薄暑かな | 苦椒醤 |
足元を横切っていくありんこ1ぴき | 夏色 |
桜桃忌空気人形とたわむ | 虹鱒 |
あいづちも大きくなりし外寝かな | 常盤 |
一塊の肉になりゆき夏落葉 | 竹ノ子 |
立ち止まり流れ見つめて桜桃忌 | 竹ノ子 |
夏雲コーラ飲んで月島 | おにかます |
蟻はしゃぐ風吹き抜ける路地アジア | 白楓 |
うちわ持つ手の下下下すのこ欲し | 竹ノ子 |
足指を開いたさきに風通る | 常盤 |
涼しさや造型として肉を置く | 道草 |
辣韮(らっきょう)もねカレーの仲間加えてよ | 白玉 |
うちわより背筋の凍るメールかな | 白玉 |
てふてふとともにあるてくてくと | 夏色 |
月島を散策。お題は「肉」「うちわ」