第55回句会

2010年6月13日の句会です。
月島を散策。お題は「肉」「うちわ」
細胞や素麺賛成大賛成ひろし
真心に触れたと思ふ団扇かな道草
鈴蘭やりんりんと白く笑いあう
シューシューと肩から蒸気麦茶かなひろし
炎天の中ではしゃぐおやじおり夏色
短夜の月が怒涛のごと崩る道草
肉々しい二の腕今日もまた存在す夏色
うちわ増え涼しさは誰のものでなし虹鱒
駄菓子屋のラムネの文字下手くそ虹鱒
夏海の匂いだけして隅田川新葵
よろめいて走る蜘蛛の子の無邪気新葵
玉葱の染みる心に肉団子白玉
洗濯物ごしの曇天路地入梅新葵
海月ゆらゆら空蒼く
電気屋へうちわの風で足りなくて新葵
腕千切れる程扇げよという罰ゲーム苦椒醤
重いのよこの美しさがと芍薬散る苦椒醤
髪洗ふされど残りし情念よ竹ノ子
警官にふるさとを訊く薄暑かなおにかます
大あくびして六月の花嫁起きる虹鱒
てのひらで青梅ころがしもの思う
母の手のうちはがおくるあついかぜ夏色
夏うちわ風に追われて初俳句
皿に降る冷やし中華の具材かなひろし
食道を走れサイダー二塁ベースひろし
若竹の七輪囲み芯をむく白玉
よく喋る見舞の帰り立葵ひろし
噴水の見える範囲で会いましょう道草
妻たちの陰口あおる団扇かなおにかます
短夜ぞ明滅々(めいめつめつ)と死にゆく灯苦椒醤
汗匂うこの身を肉を刻めたら苦椒醤
銭亀が私の背中しがみつく白玉
どんなもんじゃあんなもんじゃ月島のへそ白楓
蛍狩り衣擦れの音聞いてしまう道草
夕暮れに団扇がぱたぱた泣いている白楓
肉がまたおにくになります油汗新葵
目の前が乱れないよう日傘さすおにかます
地獄煉獄酒池肉林飛ぶ黄金虫虹鱒
夏空や肉切り包丁きらきらと燃ゆ
本日の青梅もまた純潔なり竹ノ子
空梅雨や肉屋の主背を向けるおにかます
一畳におし黙るなり団扇かな常盤
納涼を路地裏にまで持ち帰り常盤
腹鳴るやハンバーガーとソーダ水常盤
血と汗と焼かれた肉と小麦と葉,白楓
バーガー馬鹿ばっかり並んで夏なんです白楓
短パンに誘き寄せられ薄暑かな苦椒醤
足元を横切っていくありんこ1ぴき夏色
桜桃忌空気人形とたわむ虹鱒
あいづちも大きくなりし外寝かな常盤
一塊の肉になりゆき夏落葉竹ノ子
立ち止まり流れ見つめて桜桃忌竹ノ子
夏雲コーラ飲んで月島おにかます
蟻はしゃぐ風吹き抜ける路地アジア白楓
うちわ持つ手の下下下すのこ欲し竹ノ子
足指を開いたさきに風通る常盤
涼しさや造型として肉を置く道草
辣韮(らっきょう)もねカレーの仲間加えてよ白玉
うちわより背筋の凍るメールかな白玉
てふてふとともにあるてくてくと夏色