第54回句会
ビニール傘天道虫と水てきと | 夏色 |
床臥せば雨打つ音に鳥の声 | 苦醤椒 |
なめくじが殻を忘れし厠かな | 翠柑 |
五月雨の昼の浅草デンキブラン | 夏色 |
楽しいフリも止めたの五月 | 竹の子 |
幸運を持てる気がして夏始 | 新葵 |
墨田川上れり下れり色男 | 常盤 |
蕗はただみずみずしくてすなほ | 翠柑 |
ガリガリ君かじる前歯にひとめぼれ | 竹の子 |
洗濯機回して香る今朝の夏 | 新葵 |
五合目の新電波塔さみだるる | 翠柑 |
あこがれは天高く空木 | 夏色 |
五月雨やリストランテに電気ブラン | 常盤 |
走梅雨さらば浅草で逢ひましょう | 虹鱒 |
タワーよりブーケを飛ばす花嫁おり | 竹の子 |
天見上げ迎え梅雨中スカイツリー | 和布 |
五月雨樹はまだ伸びる空までも | 新葵 |
どぶ川で夏鴨藻を食すなり | 夏色 |
柿若葉日の陽吸い込む息づかい | 新葵 |
電気ブラン虞美人草と差し向かう | 虹鱒 |
夏始冷やして食べてねってトマトが | 竹の子 |
浅草につながる橋の南風かな | 常盤 |
地下鉄の駅薄暑からスカイツリー | 虹鱒 |
風の香やいま大川の橋渡る | 新葵 |
汗巾(あせふき)を絞りし車夫の腕自慢 | 道草 |
青時雨競馬新聞傘にして | 常盤 |
軽鳧飛ぶもスカイツリーの高さかな | 虹鱒 |
夏めくや丸き尻下げ用を足す | 道草 |
黒南風や電気ブランを間違える | 道草 |
シーズーがパンジーと相対の後困惑す | 苦醤椒 |
かの五月私も聖少女であった | 竹の子 |
褌しめて世界征服の塔 | 虹鱒 |
シーズー?万華鏡=パンジーの花 | 苦醤椒 |
隅田川水母(くらげ)ただよう皐月雨 | 和布 |
ひなげしや咲き散り咲き散り散りは咲き | 苦醤椒 |
初夏に江戸スカイツリーは色も無し | 翠柑 |
夏雨の村長とスカイツリ | 常盤 |
天井が低い夏は浅草電気ブラン | 翠柑 |
新緑のパセリに似たナイフとフォークの皿 | 道草 |
スカイツリーと浅草で吟行しました。