第52回句会
堕落した坊主の骸マグノリア | 苦椒醤 |
花冷えや背中丸めて入湯す | くらら |
菜の花や賞でても食べることばかり | 翠柑 |
色無き街桃色が兆しつつ | 苦椒醤 |
ぴんくぴんくももいろぴんく春群れて | 竹の子 |
老蝶々(バタフライ)無闇に伸ばす背すじかな | 新葵 |
馬鹿なのか黄色すぎるよ菜の花よ | 竹の子 |
容れ物に詩想を運ぶ木の芽風 | 道草 |
性別は多分女春愁う | 苦椒醤 |
塩原や人も焼きそばも湯に浸る | おにかます |
山眺む左の頬に春風 | くらら |
グウォングウォン豪邁カーブ春の山 | くらら |
春陰やしなびた尻の物語 | 新葵 |
春の昼つづく塩原ひままつり | 翠柑 |
塩原や北窓開くすぐに閉づ | 虹鱒 |
山笑う裸の木々の桃の色 | 虹鱒 |
春の雲黄ヘルメットが畦道に | 道草 |
一歩二歩後ずさりして日陰雪 | おにかます |
摘草や川の匂いのする方へ | おにかます |
送電塔辿り着きたる山笑う | 道草 |
春光や川の水のごと生姜売る | おにかます |
夜明けて三百六十五日目の桜 | P |
補助席を畳み来塩雉ほろろ | 道草 |
吊橋に寒残りたる箒川 | 虹鱒 |
春暖炉文豪たちと対面す | 虹鱒 |
嘘つきになれるかしらと桜草 | P |
まんさくや早く早くと見舞う人 | 翠柑 |
物わかりよくなくって良かった春 | 竹の子 |
湯けむりやひま渓谷は花を待つ | 新葵 |
喉痛む春光の骨が突き刺さる | P |
窓越しに見えない春が巻き戻す | 常盤 |
浅き春浸けて蒸かして豆笑う | 翠柑 |
春珊瑚今に咲きそな桜の名 | 竹の子 |
れんぎょうを忘れていたが拗ねないでほしい | 苦椒醤 |
もこもこ毛短くなりし春来たる | くらら |
冴え返るいの一番に取り乱す | 常盤 |
谷の街蕗味噌を売る半世紀 | 新葵 |
補助席の頭上飛び交う柿の種 | P |
塩原合宿