第52回句会

2010年3月27日の句会です。
塩原合宿
堕落した坊主の骸マグノリア苦椒醤
花冷えや背中丸めて入湯すくらら
菜の花や賞でても食べることばかり翠柑
色無き街桃色が兆しつつ苦椒醤
ぴんくぴんくももいろぴんく春群れて竹の子
老蝶々(バタフライ)無闇に伸ばす背すじかな新葵
馬鹿なのか黄色すぎるよ菜の花よ竹の子
容れ物に詩想を運ぶ木の芽風道草
性別は多分女春愁う苦椒醤
塩原や人も焼きそばも湯に浸るおにかます
山眺む左の頬に春風くらら
グウォングウォン豪邁カーブ春の山くらら
春陰やしなびた尻の物語新葵
春の昼つづく塩原ひままつり翠柑
塩原や北窓開くすぐに閉づ虹鱒
山笑う裸の木々の桃の色虹鱒
春の雲黄ヘルメットが畦道に道草
一歩二歩後ずさりして日陰雪おにかます
摘草や川の匂いのする方へおにかます
送電塔辿り着きたる山笑う道草
春光や川の水のごと生姜売るおにかます
夜明けて三百六十五日目の桜
補助席を畳み来塩雉ほろろ道草
吊橋に寒残りたる箒川虹鱒
春暖炉文豪たちと対面す虹鱒
嘘つきになれるかしらと桜草
まんさくや早く早くと見舞う人翠柑
物わかりよくなくって良かった春竹の子
湯けむりやひま渓谷は花を待つ新葵
喉痛む春光の骨が突き刺さる
窓越しに見えない春が巻き戻す常盤
浅き春浸けて蒸かして豆笑う翠柑
春珊瑚今に咲きそな桜の名竹の子
れんぎょうを忘れていたが拗ねないでほしい苦椒醤
もこもこ毛短くなりし春来たるくらら
冴え返るいの一番に取り乱す常盤
谷の街蕗味噌を売る半世紀新葵
補助席の頭上飛び交う柿の種