第50回句会
指と指掻き分けて手ぶくろ | 桃天 |
俺蜜柑体感温度共有中 | 苦椒醤 |
飾みかんカマンベールの域に入る | 苦椒醤 |
冬眠をゆるやかに解き柴又へ | 道草 |
ぬくぬくの小春日和の厚着かな | くらら |
風花の心持ちかな帝釈天 | 常盤 |
駅前の寅次郎像春隣 | 道草 |
出てみてはまた戻りたり布団かな | くらら |
知らぬ駅知った銅像息白し | おにかます |
着だるまのおしくらまんじゅう最終電車 | 桃天 |
おさるショウさるも甘酒飲みたしや | 竹ノ子 |
紫の達磨に眼帯よく似合う | 苦椒醤 |
柴又や名優脇固め小春 | 虹鱒 |
雲一つ無き青空に凧四つ | ひろし |
過ぎた冬毛玉の数だけふりつもり | 桃天 |
身を寄せてじっと何待つかもめかな | くらら |
尽きる冬昼の半月ただ高く | 新葵 |
寅年の寅さん笑うトラトラトラ | 白楓 |
冬晴や座布団を干す柵の上 | おにかます |
ただ息をしているだけで春は来る | 竹ノ子 |
あたためるとあたたまる七草 | 虹鱒 |
股引きを軽薄に着て情厚し | 道草 |
六本木人混みをぬう白息 | 桃天 |
福笑う串から二つ目の団子かな | P |
小春立ち止まる寅さんはうしろに | 新葵 |
春待ちの葛飾日和に誘われて | 白楓 |
けんか凧矢切の渡しを統(す)べにけり | 道草 |
鼻赤くすりあわす手もメカニズム | 風の子 |
冬の土手平らに走る平和の子 | ひろしv |
初句会腹がふくれて手が止まる | おにかます |
炉の前で白くなる肌色の顔 | 風の子 |
隙間風埋めるようにして寅次郎 | P |
玉コンの周囲に冬の空気あり | 苦椒醤 |
冬の江戸川フーテンのあり | 常盤 |
日のあたる床で足踏み春を待つ | 鮎 |
去年(こぞ)に賭けしゆめきょう咲かん | いちじく |
葛飾区亀有公園前モーマイ | 白楓 |
福を引き福に惑わさるる母のかお | P |
子に交じり今日も不景気凧揚げる | ひろし |
おふとんに包まれマントウ春を待つ | 竹ノ子 |
ポケットで溶け出す冬のリップクリーム | 竹ノ子 |
冬の池大鯉共の平泳ぎ | くらら |
万華鏡つらぬく孤独で鼻風邪か | 風の子 |
呟きは囀りとなり小春鳥 | 白楓 |
ジグザグに凧踊りたり天青し | くらら |
外套や人々の瞳に寅次郎 | おにかます |
はばかりで知るシリウスはあたたかい | 風の子 |
おいちゃんおばちゃん元気かって春待つ | 虹鱒 |
柴又に笑い声あり初句会 | 道草 |
陽瞬く春待つ川の底深く | 新葵 |
冬うらら矢切りのおやじべしゃり冴え | おにかます |
虎柄を身に纏い虎になる | P |
冬は匂いがはっきりしていて泣きそう | 竹ノ子 |
船頭の尻のへの字に厳寒あり | 常盤 |
悪気無く気味悪く鳴く冬の鳥 | ひろし |
待ってよと追うのが楽し焼芋屋 | P |
ハラまきをしめなおしては旅にあり | 常盤 |
眩冬にあれもあれも寅さん | いちじく |
冬の日に出向いてかおる団子道 | 鮎 |
大寒やメルセデスベンツに虎 | 虹鱒 |
甘酒や回わし飲して日脚伸ぶ | 常盤 |
冬風よりわたしを抱きしめてポンチョ | 桃天 |
初雪でコーヒー2杯溶解し | 風の子 |
腹巻の黄色が好しか赤色か | いちじく |
父不在阪神大震災爾来 | 虹鱒 |
来た道と同じ道帰る寒さかな | ひろし |
人込にマスクの多聞潜伏中 | 苦椒醤 |
柴又帝釈天