第49回句会
座ろうか座るまいか冷たき椅子 | ひろし |
スプットライト灯(あかし)夢さそう初夢 | 風の子 |
担任宛て赤ボールペンで書く賀状 | 歌葉 |
プペパピポポインセチアに攻められたひ僕 | 竹ノ子 |
しもやけのとどかぬ季節へプレイバック | 夏色 |
人里をふと恋しむや火の用心 | 道草 |
今日までの書、先生に賀状書く | 翠柑 |
紺赤黄ちゃんちゃんこ並らぶ夕ご飯 | 歌葉 |
血はめぐる硝子レンズの日向ぼこ | 歌葉 |
冬の暮高層ビルに混じりけり | ひろし |
剣幕は歳暮のせいです部下走る | 新葵 |
ぷ利ぷ駄もぷ利矢利ぷ意味のねじ暮 | 白楓 |
待ちきれず来たフライング冬将軍 | おにかます |
冴ゆる空星座のひとつひとつにへそ | 翠柑 |
奇をてらう我の姿にニヤリとす | 夏色 |
プゥプププブゥププピッピブゥスススー | 白楓 |
一通で足りずに二通賀状書く | おにかます |
首寒し彼の冬もしや此の冬か | おにかます |
燗熱く夜更けの雪に変わりけり | 虹鱒 |
幸せはスープとパンと冬のパリ | 翠柑 |
湯気立てを買おか炊飯器を買おか | 道草 |
安酒を熱く燗して寝るプアプア | 道草 |
がむしゃらに賀正かく結果ではなくても | 風の子 |
賀状書くもしも俳句が詠めたなら | 白楓 |
今日もまた人と喋らぬ短日か | ひろし |
不細工な脳天ぷかり柚子湯かな | 翠柑 |
目が増える目が失せる穴っぽこマフラー | 歌葉 |
ねぇ急に怒ったりしないでね葉牡丹 | 竹ノ子 |
大至急とらをさがして賀状書き | 夏色 |
ぎこちなき忘年会プをわきまえる | おにかます |
冬空の角欲しくなる丸眼鏡 | 虹鱒 |
賀状書くあなたの住まい妄想す | 竹ノ子 |
日記買ふ気球に乗る日をつけてみる | 翠柑 |
賀状書く生きているともいないとも | 道草 |
「トンネルを抜けると」ストーブの火消える | 虹鱒 |
煉炭買いに落語のテープすり切れる | 虹鱒 |
父サンタ背中見送るはポインセチア | 竹ノ子 |
冬茜猫バスに乗りにらめっこプー | 歌葉 |
「冷えるね」とつつんだてのひら手ぶくろごしに | 桃天 |
クリスマス近しと思う思うだけ | 道草 |
忘年の話題の変化十五年 | 新葵 |
賀状書く一歩いつもの道すがら | 白楓 |
賀状書く子丑寅卯辰未プ | 虹鱒 |
山へこい冬のにおいにいざなわれ | 夏色 |
また賀状書く書く言って歌合戦 | 新葵 |
冬の日の飴玉甘しそれだけ | ひろし |
キリエエレイソンと賀状書けば君が | 風の子 |
冬の夜弱音も白く溶け消える | おにかます |
雪積もる葉ぼたん殿のおおらかさ | 竹ノ子 |
ぷとん干すぽかぽかしたらできあがり | 白楓 |
待ちわびた雪君の肩ごし最後の朝に | 桃天 |
無臭の冬寂しいと放屁 | ひろし |
灰雪(はいゆき)を食(は)む唇君の横顔 | 桃天 |
荻窪席題「賀状書く、プ」