第49回句会

2009年12月20日の句会です。
荻窪席題「賀状書く、プ」
座ろうか座るまいか冷たき椅子ひろし
スプットライト灯(あかし)夢さそう初夢風の子
担任宛て赤ボールペンで書く賀状歌葉
プペパピポポインセチアに攻められたひ僕竹ノ子
しもやけのとどかぬ季節へプレイバック夏色
人里をふと恋しむや火の用心道草
今日までの書、先生に賀状書く翠柑
紺赤黄ちゃんちゃんこ並らぶ夕ご飯歌葉
血はめぐる硝子レンズの日向ぼこ歌葉
冬の暮高層ビルに混じりけりひろし
剣幕は歳暮のせいです部下走る新葵
ぷ利ぷ駄もぷ利矢利ぷ意味のねじ暮白楓
待ちきれず来たフライング冬将軍おにかます
冴ゆる空星座のひとつひとつにへそ翠柑
奇をてらう我の姿にニヤリとす夏色
プゥプププブゥププピッピブゥスススー白楓
一通で足りずに二通賀状書くおにかます
首寒し彼の冬もしや此の冬かおにかます
燗熱く夜更けの雪に変わりけり虹鱒
幸せはスープとパンと冬のパリ翠柑
湯気立てを買おか炊飯器を買おか道草
安酒を熱く燗して寝るプアプア道草
がむしゃらに賀正かく結果ではなくても風の子
賀状書くもしも俳句が詠めたなら白楓
今日もまた人と喋らぬ短日かひろし
不細工な脳天ぷかり柚子湯かな翠柑
目が増える目が失せる穴っぽこマフラー歌葉
ねぇ急に怒ったりしないでね葉牡丹竹ノ子
大至急とらをさがして賀状書き夏色
ぎこちなき忘年会プをわきまえるおにかます
冬空の角欲しくなる丸眼鏡虹鱒
賀状書くあなたの住まい妄想す竹ノ子
日記買ふ気球に乗る日をつけてみる翠柑
賀状書く生きているともいないとも道草
「トンネルを抜けると」ストーブの火消える虹鱒
煉炭買いに落語のテープすり切れる虹鱒
父サンタ背中見送るはポインセチア竹ノ子
冬茜猫バスに乗りにらめっこプー歌葉
「冷えるね」とつつんだてのひら手ぶくろごしに桃天
クリスマス近しと思う思うだけ道草
忘年の話題の変化十五年新葵
賀状書く一歩いつもの道すがら白楓
賀状書く子丑寅卯辰未プ虹鱒
山へこい冬のにおいにいざなわれ夏色
また賀状書く書く言って歌合戦新葵
冬の日の飴玉甘しそれだけひろし
キリエエレイソンと賀状書けば君が風の子
冬の夜弱音も白く溶け消えるおにかます
雪積もる葉ぼたん殿のおおらかさ竹ノ子
ぷとん干すぽかぽかしたらできあがり白楓
待ちわびた雪君の肩ごし最後の朝に桃天
無臭の冬寂しいと放屁ひろし
灰雪(はいゆき)を食(は)む唇君の横顔桃天