第48回句会

2009年11月29日の句会です。駒沢オリンピック公園
漆黒のマントが似合うね太宰さん
雲り空黄金(こがね)に舞うは落葉旅桃天
ぬくもりとは何ぞあんまんに問う新葵
都会より母を想うて渡り鳥竹ノ子
補助輪を外す時が来た暮の秋おにかます
青空に木の葉せまりて塗りつぶし翠柑
寒暮来る猪今日は現れず新葵
朝のみち楓落ち葉を手に歩く歌葉
マフラーにすべてを巻きつけて蜥蜴(とかげ)
秋の日にだいだいのお召し物みかん竹ノ子
君の肩越しに白息(しろいき)二輪乗り桃天
青年のたたずむ先に蜜林檎
外套をぬいだランナーまがりおり常盤
ハンバーガー西高東低に屈す虹鱒
我が秋思落ち葉に溶けてまほし竹ノ子
寒禽(かんきん)の鳴き声に背すじ正され竹ノ子
冬シャツの山ジーパンの川の中常盤
外人のスケボー少年輝きはなつ夏色
寒椿誰れをまちわび落下せず竹ノ子
もの言わぬ豚魂の十一月虹鱒
秋ふかし芋をさがして三千里風の子
走る走る澄む澄む心落葉道新葵
空風やはげます声も荒くなり常盤
アスファルト濡れた落ち葉のニ短調ひろし
散紅葉吸い込む息も赤く燃え翠柑
舞い上げたおち葉の中で写真撮影夏色
洗濯す月見の為のカーディガンひろし
赤信号わざと吸い込む冬の朝ひろし
ニット帽小道の岩でひと休みおにかます
あの山の紅い葉かこの紅い葉はひろし
ふわんふわん彼女の帽子ゆれる稲妻風の子
銀杏散るコンクリートの散る日にも虹鱒
着ぶくれてあなたわたしのとなりかな虹鱒
倒れても起きても丸きジャケツの子道草
勝ち負けの後に木の葉を踏み帰る道草
寂しさの道にあるべし寒桜翠柑
冬のあじさいただ葉をゆらす新葵
ふじ紅玉王林津軽ジョナゴールド
君立ちぬ白いコートに枯葉雨桃天
きつねの尾まねてたなびくすすきかな夏色
山茶花や娘ははしゃぎはなひらく歌葉
梅もどき勤労感謝の日を妻に翠柑
寒窓(かんそう)にカーテンまでもつられおり常盤
あぁいいねぇ紅玉にはかなわないね
枯葉道とがったヒール音消えて桃天
丼の底一面の紅葉かなおにかます
ふかふかの銀杏並木に独りなりおにかます
銀杏もベストバランスみつけてよ風の子
真夜中の銀杏発光片目射すひろし
1、2、3落葉の色にキャラメリゼ翠柑
ベンチ入りせずとも素振り頬被常盤
此の並木いてうおちばの夢幻かな歌葉
人は走るのが好きだから冬に入る虹鱒
寒椿冬の公園にて孤独道草
冬の空ランナー吸い込まれてく道草
毛皮着てダックスフンドに引かれをり道草
秋茜まだみぬ都会(まち)も赤いかな風の子