第45回句会
母走る世界平和の金メダル | 翠柑 |
裏切りもすがすがしく体育の日 | 虹鱒 |
蓮池や鯉が照らされ反射光 | 木の香 |
あの山は君にあずける秋の雲 | 虹鱒 |
ダメゼッタイ身柄預けて秋に入る | 歌葉 |
スポーツに専念すれば夢開き | 木の香 |
出し切らん残り花火の激しいこと | いちじく |
西瓜割るパッと初秋の姿見え | 木の香 |
朝顔にどなたか水を五連休 | 新葵 |
実るほど南瓜じゃがいも食地獄 | 歌葉 |
子らの絵が街路を灯す地蔵盆 | 翠柑 |
唇に歌を携え秋刀魚焼く | 歌葉 |
あの人は虫の輿にて囃しけり | 苦椒醤 |
高く飛ぶことに集中する秋 | 常盤 |
ししとうを炒めた青のうれしさや | 新葵 |
法師蝉苔緑に澄みわたりゆく | 虹鱒 |
木星も輝くように秋めきぬ | 翠柑 |
踊手を預けて母の遠くかな | 翠柑 |
祖母のため桔梗コスモス揺れる家 | 歌葉 |
日終わりて風のさやけく時を待つ | 新葵 |
夕暮れに薄皮剥けて秋の風 | ひろし |
十六夜や立ちつくす白色のマヌカン | 虹鱒 |
法師蝉今b(フラット)になった | 新葵 |
鳥取砂丘秋の海にふたり | いちじく |
秋の夜近づく山陰(やまかげ)遠のく星空 | いちじく |
大死球フェードアウトの蝉時雨 | ひろし |
決戦の二打目見上げる鰯雲 | 道草 |
もげました片羽があそこ死ぬんだな | 苦椒醤 |
花野原弱虫たちにあずけるる | 常盤 |
今夏に不足秋晴れにあずけて | いちじく |
夏の午後涎の海辺に眠る僕 | ひろし |
あの空に預ける如く雲の群れ | 木の香 |
ポリス目に余りいる連綿と都市 | 虹鱒 |
葉の裏で蛍最期の一光 | ひろし |
女子バレー高きに登る滞空の女王 | いちじく |
夕暮の頭骨にある残暑かな | 常盤 |
湯上がりの闇夜切り割くがちゃがちゃよ | 翠柑 |
ひかえめに走りだしたる秋の空 | 常盤 |
ランナーの肩かなかなの声溶ける | 新葵 |
桃の実が揺れないように歯を埋める | 道草 |
気孔から麦酒の湯気と音楽と | ひろし |
駅前にひとりワケあり林檎売り | 歌葉 |
踊り子や棒振虫をながめおり | 常盤 |
焼酎を預けて潜るお父ちゃん | 道草 |
蝉時雨五時一分に始まりぬ | 道草 |
スポーツや踊る心に日が射せり | 木の香 |
和っ背っせ細けぇことはいいんだよ | 苦椒醤 |
墓参帰路一家に高校野球沁む | 道草 |
席題「スポーツの秋、あずける」