俳句披講 ― 第42回の句会で詠んだ句です。代々木公園・明治神宮 ―


第42回句会
2009年5月17日。代々木公園・明治神宮を散策。
| 屋台抜け花嫁神宮渡りけり | 白楓 |
| くもり空嫉妬したのね新緑に | 竹ノ子 |
| 油断してカレーも緑夏嵐 | おにかます |
| 夏競馬肝小さきもひた叫び | 常盤 |
| 恋心薄紅(うすくれない)の薔薇の花 | 蚕豆 |
| 参道をゆき尽くしては若葉萌ゆ | 虹鱒 |
| 芝湿る昼寝大なわしゃぼん玉 | 新葵 |
| ドーナツを背負いて蟻の穴に入る | 苦椒醤 |
| 夏白人力溜りを探し当て | おにかます |
| シャム祭や王族眉の太かりき | 真田虫 |
| 闇雲の便りよようやく来た五月 | おにかます |
| バラ垣の花びら集め子供たち | 春日 |
| 背負い子の首がこぼれて薔薇揺れる | 真田虫 |
| 青白き皮膚の下まで木下闇 | 虹鱒 |
| 初夏の風あすへの願いを含んで飛ばす | P |
| なく虫をみつめる三色菫かな | 苦椒醤 |
| タイ国の夏料理来たる眉毛揉む | 虹鱒 |
| 春日傘彼の地のをんな肩薄し | 呼雲 |
| 信じれば救ってほしいハンモック | おにかます |
| 噴水や音は流れて代々木杜 | 歌葉 |
| 青草の代々木公園ソイヤソイヤ | 新葵 |
| タイフード当たり外れがあるんだなぁ | 蚕豆 |
| 新緑やゆめゆめ砂利の音消すな | 道草 |
| 象の耳あの世この世や虹架ける | 歌葉 |
| 即席の異邦人街にもカリー | 常盤 |
| グリーンカレー食べた瞬間タイ女 | P |
| 雨上がり夜空にサンキューアイシテマス | ひろし |
| 色々のカレー行き交うタイフェスタ | おにかます |
| シャツ濡れて嘘つき森田五月晴れ | ひろし |
| いつぶりのキャッチボールな皐月かな | 真田虫 |
| ハンモック揺られ緑の風にのる | 蚕豆 |
| 南風うねり行き交う森の道 | 白楓 |
| 夕焼けは定時帰りのごほうびだ | 春日 |
| 花嫁の頬を照らす日々草 | P |
| 咲くバラやつまずく小石に夢つまるや | 竹ノ子 |
| あれ食べたいパッタイ食べたいタイ溢れ | 竹ノ子 |
| 青生えて青茫々な青い木々 | ひろし |
| 我刺して水溜めた椀浮く蚊かな | ひろし |
| 早苗饗や女の腰からあっためろ | 翠柑 |
| 青あらし大縄跳びの大人たち | 白楓 |
| 伽羅蕗と筍食へばこれで春 | ひろし |
| 夫婦樟大木なれど若葉吹く | 虹鱒 |
| ハンモックゆたりと固き人の背 | 真田虫 |
| アボガドの種埋める児等土恋し | 呼雲 |
| 春雷や目白通りはメゾフォルテ | 呼雲 |
| 神前の集合写真汗香る | 道草 |
| ハンモック梅雨の便りを伝え聞く | 白楓 |
| 朝涼にジョギングをする快感よ | 春日 |
| 雨が呼ぶ色彩の薔薇を敷きし径 | 歌葉 |
| バラ園に人と風光集まれり | 木の香 |
| 渡来客明治神宮の蚯蚓 | 虹鱒 |
| 神宮も青とうがらしに降伏す | 真田虫 |
| 腰が鳴る五月晴れたる八畳間 | 歌葉 |
| 六畳に浮かんで消えるは七十の句 | 竹ノ子 |
| 夫婦楠祝蚕豆鬘(づら)似合う | 新葵 |
| 白無垢が似合うよねって樟若葉 | 翠柑 |
| 木々の中ハンモック揺らすタイの風 | 木の香 |
| 持ちものはただ四本の薔薇の棘 | P |
| 万薬は祖母の呼ぶ声蛇苺 | 翠柑 |
| 三鞭酒と膝を重ねて春の夜 | 呼雲 |
| 青嵐神社の中の渡り廊下 | 木の香 |
| かしこまり狐嫁入る薄暑かな | 木の香 |
| タイビール飲めば代々木の裾広く | 白楓 |
| 重力を越えし長なわ緑雨 | 常盤 |
| リーゼントや空は曇って風五月 | 新葵 |
| 風薫る若葉の香水身に纏い | P |
| 千年を結はふ夫婦(めおと)の楠若葉 | 道草 |
| 青嵐(あおあらし)刺す白球の和音かな | 常盤 |
| 駆け転ぶ鴨足草が側にいる | 翠柑 |
| 初夏の己が哀しき惚れやすさ | 道草 |
| 手を合わす空しか知らぬはそら豆か | 翠柑 |
| 唇を滑る山吹猪口の朱(あか) | 呼雲 |
| 明治天皇逝かれた現在(いま)は聖徳太子 | 竹ノ子 |
| アイスクリームに象徴される時間かな | 道草 |
| 黒縁の眼鏡の家出草肥える | 常盤 |
| 歳月(とし)重ね人口の森も自然と化す | 蚕豆 |
| 夏木立舞踏家師弟地を鎮め | 歌葉 |
| 白無垢の姿見守る夫婦楠 | 蚕豆 |
