第38回句会

2009年1月18日の句会です。
阿佐ヶ谷にて。席題「かるた」「むすぶ」
初鶏のめでたい声も鍋の中土竜
除夜の鐘今年は聞けぬ遠い地で蚕豆
ためいきもかがやくのである厳冬虹鱒
寒肥(かんごえ)よモチ喰う女の捨てゼリフ竹の子
焼鳥のうまいまずいはタレしだいおしるこ
ぐきぐきと腕折れるかな木瓜の枝くらら
るるるるる笑い結ぶや初句会くらら
母さんのむすび食いたきさむさかな新葵
結束の葱と一緒にごあいさつ道草
今日もまだ鏡餠は飛ばない虹鱒
寒夜釣(かんよづり)てらてらゆらぐ月の川ちゃんちゃんこ
徹夜にて忘れ去られし初夢や夢喰
幼き日呼び戻したるかるたかな夢喰
コンディション句会始に合わせけり道草
靴紐を直す樹の上実を結び土竜
阿佐ヶ谷でおNEWなメガネで歌留多するちゃんちゃんこ
寒空や宇宙の色の深い青ちゃんちゃんこ
初詣おみくじ通り結ばれたい。ちゃんちゃんこ
僕の番カルタの前の座席とりいちじく
ひっかかるひっかかるまいとお手をつく常盤
末の子の黒髪結えば成人式いちじく
新年の予定取り合うかるたかな土竜
たいくつなかるたの読み手乳を揉む虹鱒
もちつきやこねる仕草がお気に入り真田虫
座布団のはずむ拍子に年きたるおにかます
我先に奪い合ってと歌留多こうおにかます
冬将軍鼻血をたらす武蔵野に常盤
占いと蜜柑の結ぶ悪巧みおにかます
カルタしてワイワイ楽しくカタルシス竹の子
頂で七島並べて福笑い土竜
初対面かるたで和む場の空気蚕豆
ハナタレの寝床で育つ寒鴉真田虫
初スキーボーゲンできず直格降おしるこ
しもやけの祖父や握るは左ハンドルいちじく
日脚伸ぶ電信工の影ふたつ常盤
しんしんと空の机ら初仕事おにかます
初場所の憎き横綱華が有り夢喰
明けの春ひとの名字を誉めにけり新葵
初釜や腹の中まで緑なりくらら
髪結ぶその都度髪が抜け落ちるおしるこ
われひとり居残り正月外は晴れ新葵
量子論話のむすびくさめする虹鱒
カルタとり反射神経試されるおしるこ
福引やきつく結すんだくつのひも常盤
霜焼の母と娘の結びつき竹の子
振袖の女子か女か成人の日竹の子
新しき問いパレスチナ動けば寒道草
札狙うぎょろり眼やかるた取りくらら
我が願い実を結ばんと初詣夢喰
お年賀の結びはいつもこの面子真田虫
窓開けるかるたは体育競技なり新葵
手袋を編みかけたまま春近く蚕豆
不景気を横目に初富士新幹線いちじく
歌留多取りただちに叩く用意あり真田虫
声上げて空飛ぶ俳句歌留多かな道草