第37回句会

2008年12月21日の句会です。
高田馬場ルノアールにて席題「蜜柑」「浮気」
また甘く笑って再来年のみかん新葵
ポキポキと背骨確かむ冬至かな道草
三蔵に鰤照りの日々咎められおにかます
?まれし蜜柑に残る羞恥かな道草
彼(か)の指は蜜柑の臭いばかりなり呼雲
みかんのかわのさいぼうもまる
出ましょうよ炬燵の中で足つつく
息白く布団に出たり入ったり秋山
外套と口紅の紅(あか)合わせけり
浮寝鳥我関せずと今日も寝る秋山
枯るる中この実は育つ鮮やかに秋山
おしむらくは空気読まない凩虹鱒
白菜をまるまる抱え子をおぶる虹鱒
冬の空東京に立つボクらかな真田虫
ハフハフの鍋つつくかな冬の夜くらら
大根を脱ぐように洗い浮気する。虹鱒
熱弁もあそうあそうの冬至かな常盤
生涯の浮気を許す枯野かな真田虫
浮気ならうさぎのバイクで走りだそう常盤
蜜柑ひとつこうこうたるや夜の台所雪犬
冬の空ぽっかり浮かぶ王の顔おにかます
家族らはみかんの丸に結実す虹鱒
年流る無事産まれたんですってね新葵
ポニーテールリュックの上に顔埋め木の香
職安で上手に交差して師走道草
ヤドリギにシャッターチャンスを待ち居たり真田虫
湯たんぽが温いと老いた母は言い呼雲
一年の切符受け取る年越よくらら
君が為村中駈ける朝蜜柑おにかます
電車待つ人々の手に蜜柑木の香
冬安居さびしいかもと考えぬ常盤
しゃりしゃりと大根すって雪が降る雪犬
餠搗やじいちゃんの背伸びるかな翠柑
底抜けの鍋を抱える師走かな雪犬
お昼過ぎ木枯し吹いて布団舞う秋山
かまど猫ちいさな浮気見いつけたおにかます
数へ日や数えるばかりの母の夜翠柑
クリスマスみそひともじに浮気せりおにかます
年忘れ銚子の数程倒れけり翠柑
一茶忌腹いっぱいの夢を見る常盤
風花が空から落ちて頬濡らす秋山
あのころはみかんのような十四歳常盤
後ろ手に蜜柑を渡す男の手木の香
肩寄せて街へと消えし田中さんくらら
しぐるるや朽ち葉が踵につきまとい呼雲
湯豆腐や一刻ばかりの待ちぼうけ呼雲
寒椿玩具と交じって宝箱木の香
木枯の味しみわたるコーシーよくらら
見上げると蜜柑と日光重なりけり
年忘ボタンを一つかけ違う虹鱒
ほんのりと香るみかんや風に揺れくらら
から風やみな飛ばされてしまうのか真田虫
かまど猫膝から膝へと浮気せり呼雲
浮気許すまじ家中の椅子時雨るる道草
熟れている女と密柑に気をつけろ
一人づつ目と目を合はせ年忘道草
彩りの落ち葉の上を泳ぐ鴨木の香
クリスマスケーキ片手に浮気夫(つま)翠柑
鬼教師指から蜜柑の匂い立つ真田虫
一休みまた一休みとみかんむく翠柑