第37回句会
| また甘く笑って再来年のみかん | 新葵 |
| ポキポキと背骨確かむ冬至かな | 道草 |
| 三蔵に鰤照りの日々咎められ | おにかます |
| ?まれし蜜柑に残る羞恥かな | 道草 |
| 彼(か)の指は蜜柑の臭いばかりなり | 呼雲 |
| みかんのかわのさいぼうもまる | P |
| 出ましょうよ炬燵の中で足つつく | P |
| 息白く布団に出たり入ったり | 秋山 |
| 外套と口紅の紅(あか)合わせけり | P |
| 浮寝鳥我関せずと今日も寝る | 秋山 |
| 枯るる中この実は育つ鮮やかに | 秋山 |
| おしむらくは空気読まない凩 | 虹鱒 |
| 白菜をまるまる抱え子をおぶる | 虹鱒 |
| 冬の空東京に立つボクらかな | 真田虫 |
| ハフハフの鍋つつくかな冬の夜 | くらら |
| 大根を脱ぐように洗い浮気する。 | 虹鱒 |
| 熱弁もあそうあそうの冬至かな | 常盤 |
| 生涯の浮気を許す枯野かな | 真田虫 |
| 浮気ならうさぎのバイクで走りだそう | 常盤 |
| 蜜柑ひとつこうこうたるや夜の台所 | 雪犬 |
| 冬の空ぽっかり浮かぶ王の顔 | おにかます |
| 家族らはみかんの丸に結実す | 虹鱒 |
| 年流る無事産まれたんですってね | 新葵 |
| ポニーテールリュックの上に顔埋め | 木の香 |
| 職安で上手に交差して師走 | 道草 |
| ヤドリギにシャッターチャンスを待ち居たり | 真田虫 |
| 湯たんぽが温いと老いた母は言い | 呼雲 |
| 一年の切符受け取る年越よ | くらら |
| 君が為村中駈ける朝蜜柑 | おにかます |
| 電車待つ人々の手に蜜柑 | 木の香 |
| 冬安居さびしいかもと考えぬ | 常盤 |
| しゃりしゃりと大根すって雪が降る | 雪犬 |
| 餠搗やじいちゃんの背伸びるかな | 翠柑 |
| 底抜けの鍋を抱える師走かな | 雪犬 |
| お昼過ぎ木枯し吹いて布団舞う | 秋山 |
| かまど猫ちいさな浮気見いつけた | おにかます |
| 数へ日や数えるばかりの母の夜 | 翠柑 |
| クリスマスみそひともじに浮気せり | おにかます |
| 年忘れ銚子の数程倒れけり | 翠柑 |
| 一茶忌腹いっぱいの夢を見る | 常盤 |
| 風花が空から落ちて頬濡らす | 秋山 |
| あのころはみかんのような十四歳 | 常盤 |
| 後ろ手に蜜柑を渡す男の手 | 木の香 |
| 肩寄せて街へと消えし田中さん | くらら |
| しぐるるや朽ち葉が踵につきまとい | 呼雲 |
| 湯豆腐や一刻ばかりの待ちぼうけ | 呼雲 |
| 寒椿玩具と交じって宝箱 | 木の香 |
| 木枯の味しみわたるコーシーよ | くらら |
| 見上げると蜜柑と日光重なりけり | P |
| 年忘ボタンを一つかけ違う | 虹鱒 |
| ほんのりと香るみかんや風に揺れ | くらら |
| から風やみな飛ばされてしまうのか | 真田虫 |
| かまど猫膝から膝へと浮気せり | 呼雲 |
| 浮気許すまじ家中の椅子時雨るる | 道草 |
| 熟れている女と密柑に気をつけろ | P |
| 一人づつ目と目を合はせ年忘 | 道草 |
| 彩りの落ち葉の上を泳ぐ鴨 | 木の香 |
| クリスマスケーキ片手に浮気夫(つま) | 翠柑 |
| 鬼教師指から蜜柑の匂い立つ | 真田虫 |
| 一休みまた一休みとみかんむく | 翠柑 |
高田馬場ルノアールにて席題「蜜柑」「浮気」