俳句披講 ― 第36回の句会で詠んだ句です。 ―


第36回句会
2008年11月30日の句会です。東大で吟行しました。
一番星出でて十一月終わる | 新葵 |
毛布だけ持てる暮らしや闘牛士 | 道草 |
食むほどにまあるい笑顔冬うらら | くらら |
とうきびを思い出すなりいちょうの木 | 草冠 |
冬晴れてスキップになる並木道 | 新葵 |
黄落に埋もれし風が走り出す | 呼雲 |
CONDER(コンデル[人名])の背中越しに秋の声 | 苦椒醤 |
いてふちるははのふところにおいけり | 蜩 |
池動く冬一条の蜘蛛の糸 | 虹鱒 |
冬ぬくし安くんアラちゃん三四郎 | 常盤 |
頭刈る地球を染めし夕時雨 | 白楓 |
白金の湖面のたるみ秋溶ける | 真田虫 |
午後ごろり芝生の小春抱きしめる | 新葵 |
この色の帽子編みたし枯銀杏 | 新葵 |
いざゆかん枯れ葉旅立つ枝の先 | 蜩 |
シャッターを切るほど深まる秋 | 木の香 |
縁側に布団と私日向ぼこ | 翠柑 |
枯れ葉かな落ちてこないよいつまでも | 常盤 |
いてふ葉や待つ傘の上止(とど)まれり | 呼雲 |
黄色の葉くるくる落ちてでぃせんばぁ | くらら |
凍土を緩ます子らのあつき足 | 雪犬 |
たくさんのはっぱがおよぐふゆのいけ | 白楓 |
冬晴れや銭湯へ下(お)る石段よ | 蜩 |
黄色蹴り紅(あか)めで拾う落ち葉道 | 草冠 |
繁華街ひとり流れる吾亦紅 | 苦椒醤 |
わるさわさ言葉に替えて銀杏降る | 虹鱒 |
猫の背に探すは冬のひだまりか | 雪犬 |
置き去りさどんぐり達は何時だって | 苦椒醤 |
前が見えない何も見えない落ち葉 | 道草 |
勤勉な彼はおでんを口説きをり | 道草 |
凩の足の早さやおにごっこ | 雪犬 |
染めるのだ秋は水面も目の前も | 草冠 |
青い空赤門まぶしきベレー帽 | 翠柑 |
カンバスになみなみ積もる黄色かな | おにかます |
足音の乾き鳴る鳴る小春空 | いちじく |
東大の子駈ける駈ける小春かな | おにかます |
落葉踏み心を廻る三四郎池 | 白楓 |
蒲団よりをんなの膝の右左 | 呼雲 |
枯れ落葉ばらまく子等の復活祭(クリスマス) | 真田虫 |
影のびて人の背ちぢむ秋高し | まね |
愛欲と思念と枯葉からまりぬ | 虹鱒 |
葛湯溶く祖母の膝元夢うつつ | 雪犬 |
あぁなってこんなんなって八つ手の実 | くらら |
枯れ葉降り水面に着いて舟になり | 草冠 |
ちぐはぐな会話は続く息白し | 常盤 |
自転車やまたげばカゴに枯れ葉居り | いちじく |
日を浴びて喜ぶ銀杏の声みえる | まね |
尻冷えてハンバーガーとつぶやいて | 常盤 |
野バラさえ見とれてしまう銀杏かな | まね |
獅子の子や銀杏落葉を包み込む | 真田虫 |
木枯らしや喪服の襟足見やるなり | 呼雲 |
黄落や天仰ぐ頬を掠(かす)りゆく | 苦椒醤 |
冬ざれの安田講堂時刻む | 真田虫 |
ほっぺたの赤丸つまみ鼻ちょうちん | 翠柑 |
かうかうと木の葉最期に見た世界 | 道草 |
東大へぱかりと缶コーヒーあける | 虹鱒 |
煉瓦(れんが)にもメトロポリスの矜持かな | おにかます |
銀杏散る大講堂の凛と座す | 蜩 |
小坊主や落ち葉時雨に倒れけり | いちじく |
歩くたびくすくす笑う落ち葉かな | まね |
鳩拾う銀杏一つ空青し | くらら |
青い空ギンガに踊れ銀杏の児 | 白楓 |
小鳥には赤い実だけの蜜柑山 | 翠柑 |
とき 平成20年11月30日(日)
場所 東京大学
天気 晴れ
参加者 虹鱒、新葵、白楓、おにかます、苦椒醤、蜩、
くらら、まね、呼雲、木の香、真田虫、雪犬、
いちじく、草冠、翠柑、道草(メール投句)、
常盤以上十七名
日曜日に良く晴れるのはとても気持ちがいい。そんな日に句会が出来ることもまた快い。

寒い季節にも負けず、16名参加でいざ東京大学へ出発。の前に、今回はガー部(ハンバーガー部)企画も同時開催なので、ファイヤーハウスという人気店でハンバーガーを注文(味等の内容はグルメボックスに記載予定)。

日曜日の東大は、予想に反してとてもにぎやかで大学というよりも観光地の様子。誰もが出入り自由で、子供たちが自転車を乗り回すなど、これがあの東大かと目を疑ったほどイメージにない風景。


赤門を入ったところで散策開始。まず、整然と並ぶ校舎と銀杏が目に付く。遅れて、ギンナンの臭いが鼻を付く。紅葉のころあいも良く、歩道に散らばる銀杏を拾ったりしながら、なんだか楽しい。安田講堂、三四郎の池、古い建築様式の校舎など見て回る。快晴の冬空を見た真田虫が「僕はこの空の感じが一番宇宙な感じがする」と言ったことにときめきをおぼえた。


昼食は、安田講堂前の芝生でハンバーガー。味も良く、ボリューム満点のバーガーだった。ガー部部長(コチュジャン)は、どうしてもバーガーを崩落させてしまうと嘆いていた。



再度散策。蜩と新葵は銭湯に旅立つ。腹もいっぱいなので三四郎の池でぼんやりしていると呼雲、木の香、白楓と出会う。しばらくすると、木の香のおみやげの日本酒を、呼雲と白楓がちびちびやりだす。とてもうまそう。でも、小生下戸なので次のこと考えて我慢。
そんなこんなで時間は過ぎて日が暮れてきて散策終了。


句会は駒込にて開催。いつもの区民会館で四句出し、天、地、人の六句選。人数も多いなか今回特選を取ったのは、新葵。前日にビンゴ大会でも一等と波に乗っている。次点は雪犬。ひさしぶりでも印象深い句作に感心。



本当はたくさん取材(取材とよべたものかどうか)したことを書きたかったが、収拾が付かないのでこのへんにしておきます。
東大でこんなにダイナミックな吟行になるとは、ほんと予想外でした。機会があればまた来ましょう。

