俳句披講 ― 第35回の句会で詠んだ句です。西荻窪調理実習 ―


第35回句会
2008年10月26日の句会です。,西荻窪調理実習
新米を喰らう面に夕カラス | いちじく |
新米や幾千粒や粒粒や | 苦椒醤 |
新米をつまんで飛ばす赤子かな | 真田虫 |
秋もよい盲導犬の鼻かすめ | 呼雲 |
幸福かもしれぬ甘藷(いも)揚げる | 新葵 |
出来秋の旅の果てなり手を合わす | 新葵 |
丸裸ただ待ちぼうけ林檎かな | おにかます |
地球から新米は穫れた月は出た | 虹鱒 |
鶏頭花器を二つ買う少女 | 真田虫 |
蜂蜜を大事にしまう夜長かな | 虹鱒 |
じつとみるてのひらのあたらしき米 | 呼雲 |
藷茹でし心辺(こころべ)に沿う檸檬かな | 道草 |
ずれているわたし木犀とある宵 | 苦椒醤 |
炊き終えて目尻ゆるまん秋の夕暮れ | いちじく |
花嫁のさつまいもから煮はじめる | 虹鱒 |
ぴかぴかの新米食らう丸い背中 | 螺子丸 |
のど仏いったりきたり満腹の秋 | 常盤 |
新米の湯気を見つめし至福かな | 新葵 |
帰らざる拳と背(せな)の星月夜 | 呼雲 |
あちこちにちらばる秋思ひろいけり | 常盤 |
新米を噛めば昔のことばかり | 道草 |
秋雨や公民館に駒の音 | 道草 |
がっぷりと組み食べ負けた秋強し | おにかます |
鶏頭を弔い終えてまた明日 | 苦椒醤 |
秋風や南の娘の鼻たらす | 螺子丸 |
宵闇の駆ける子等見てピエロ泣く | 真田虫 |
サンマの銀の腹に睨まれて秋来たり | 螺子丸 |
新米のひとつぶごとに仏あり | 常盤 |
刈田面犬追う童を呼ぶばあちゃん | いちじく |
硬くとも柔かくとも我が新米 | おにかます |
とき 平成20年10月26日(日)
場所 西荻窪勤労福祉会館 調理実習室
天気 曇り
参加者 虹鱒、道草、新葵、白楓、コチュジャン、
真田虫、螺子丸、呼雲、いちじく、おにかます
常盤以上11名
集合一時間前、冷たい雨が落ちてくる。暦の上では晩秋。しとしと降られては、いやだなと思っていたが、すぐに上がったので助かった。
今回は、席題と秋の実りを持ち寄り調理実習。虹鱒が玄米を、新葵と白楓がサツマイモを、古雲がイクラを、道草が高菜を持ってくる。いずれも(高菜はどうなのだろう)秋の賜物、早速、腹がなる。
調理実習の献立 玄米ご飯、豚汁、大学芋、卵焼き、
サツマイモとレモンのサラダ、メザシ、イクラ、高菜。
実習開始。わずかな時間だがやはり調理はむずかしい。
ガス釜と虹鱒の格闘、ささがきと道草、かわいい真田虫、常盤の味覚障害、フライパンと新葵の距離感、飴を混ぜ続けるおにかます、難題卵に文句のコチュジャン、白楓につきまとうトラブルトラブル。と、いろいろあったがなんとか完成にこぎつける。その間、いちじくの献身的な洗い物に感謝。
実食。やはり一番印象残ったのは玄米。電子ジャーの方は程よく仕上がるも、ガス釜の方は水気が足らず硬い。始めのうちは、歯ごたえもよくメザシといっしょに食べるといつまでも楽しかった。しかし、いつしか租借に苦しむ。僕は一生この玄米の印象を忘れません。美味であったのが古雲持参のイクラ。出身の北海道から送ってもらったそうで、肌理が細かくて見た目にも驚いた。満腹になってもうだめだというところに螺子丸到着。丁寧に食べる姿がよかった。
最後になるができれば来年もやりたいと思った。
句会。調理実習に時間がかかり、飲み屋で開催。席題は新米。時間もなかったので、三句出し四句選。お通しものどを通らぬ状態の中、特選をとったのはコチュジャン(初)。その後、準特選も取るなど大フィーバー。本人は特選をとったので改名すると言っていた。
こういった忙しいは、楽しいなとつくづく思う。筆者はコップ一杯の酒で眠り落ちてしまって(あとで蹴られていたことを知る)わからないが、会話もはずんだことを想像する。いい句会であった。