俳句披講 ― 第33回の句会。荻窪にて。 ―


第33回句会
2008年8月24日の句会です。荻窪にて「ナイター」「朝寒」の席題。
| 朝寒や乾びる喉に染み来たる | 呼雲 |
| 天高く群れ鰯雲どこへ行く | 椿 |
| ピポパポピー宇宙と交信さるすべり | くらら |
| 虫の声雨明の匂い闇ゆたか | 椿 |
| ナイターに枝豆ビールでメタボかな | 子亀 |
| 稲光君のすべてをさらしてよ | 椿 |
| 街灯にむらがるは夜かコウモリか | いちじく |
| 朝寒し日に日に腕の白くなり | 常盤 |
| 忠誠を問ふナイターの曇空 | おにかます |
| 後輪を見失いけり秋の暮 | おにかます |
| 朝寒や開いた蕾影薄し | くらら |
| 朝寒の予感は不安かきたてり | 翠柑 |
| 朝寒く君にふとんをそっとかけ | 子亀 |
| 音は止み新涼の来し閉会式 | 新葵 |
| 夜の秋茶の間五憶の解説者 | 新葵 |
| 草いきれありし日の故事駆けめぐり | 子亀 |
| 霧笛消ゆ夢の果てまで一人立つ | 虹鱒 |
| ナイターの喚声横丁の隠居から | 道草 |
| 朝寒や小さきものに気づきけり | 虹鱒 |
| 月に手をそえて歩めば踊の輪 | 翠柑 |
| 甥が来てビールが麦茶に名を変える | 子亀 |
| つなぐ手の鼓動はこぶ朝寒かな | 麟 |
| 背に止まる話があると油蝉 | くらら |
| 蟋蟀(こおろぎ)は炎昼黙して育ちおり | 新葵 |
| 秋雨に野次もまばらの外野席 | 新葵 |
| ナイターの後に風呂釜洗う父 | 呼雲 |
| 朝寒に青は寿命を知りにけり | 新葵 |
| 自転車で駆け抜ける君の手に桃 | 椿 |
| 稲妻やモンゴルの馬西へゆく | 虹鱒 |
| ナイターをつまみにビール急ぎ足 | 翠柑 |
| ナイターの光背中を追いかけて | 麟 |
| ナイターやリモコン取り合う父子かな | くらら |
| 風は弓稲穂の弦を弾き抜ける | 苦椒醤 |
| 朝寒や宵の諍いごわごわと | おにかます |
| 先月は神輿今月は踊櫓 | 道草 |
| 下駄箱に番で居座るあぶらむし | 呼雲 |
| 初秋や雨のかおりに湯沸かす妻 | 虹鱒 |
| 包まれし一夜朝寒のことばかり | 道草 |
| 灼熱の青空蝉の音815 | 苦椒醤 |
| 秋雨にまた口ずさむ童歌 | おにかます |
| 宙(そら)に舞う二十一世紀のナイターの夜 | 虹鱒 |
| どんぶりのサイズ変えて秋麗 | 常盤 |
| うなだれし冷飯の味秋の蝉 | おにかます |
| 白桃と赤子のほっぺた眺めけり | 翠柑 |
| だだ茶豆うぶ毛かがやくふくよかさ | 椿 |
| 夜の新宿ナイターのごとく | いちじく |
| 宵の蝉ビ!と鳴き止みて風過ぐる | いちじく |
| 薄羽路に色なき風の顔を出し | 常盤 |
| 裾泥を払いて今日の秋高し | 藻杏 |
| 露の世に蹂躙されし平和の字 | 苦椒醤 |
| 白球にメガホンかざすナイターの夏 | 麟 |
| 実秋(みのるあき)口腔にある小骨かな | 常盤 |
| 秋立ちてオリンピックを観るばかり | 藻杏 |
| 行きはしゃぎ帰り背中の初ナイター | 常盤 |
| わくら葉や夜半の声を背負うなり | 呼雲 |
| 雲にのり身体あずける朝寒の夢 | 麟 |
| 天仰ぐ蝉あらば心恋しけり | 麟 |
| 雨音に静まる処暑や滲む墨 | 翠柑 |
| 蝉鳴けリ今年は何を成したかと | 子亀 |
| 9回のネクストバッターズサークルにとんぼ | 道草 |
| 一球に眠れぬ一人一人に秋 | 道草 |
| 飛び起きて朝寒忘るる新学期 | いちじく |
| 秋風や腕すり抜けてシュラシュシュー | くらら |
| 驟雨来て遠のく町も流すなり | 呼雲 |
神宮でナイターだ〜!!と浮かれていましたが、あいにくの雨。ナイターは見送りです。
今回の句会は、子亀さんや麟さんが来てくれました。二回目の呼雲さんも来てくれました。いやぁ、同じメンバーもいいんですけど、新しい人と句会をすると何が飛び出すか分らないので楽しいです。
