俳句披講 ― 第22回の句会で詠んだ句です。 ―


第22回句会
2007年11月11日の句会です。高田馬場。
| 丘の上凧ながむスワンボート | 常盤 |
| 白鳥の記憶を寄せる広瀬川 | 藻杏 |
| 白鳥にロック聴かせて踊りをり | 真田虫 |
| 白鳥はあの日も飛んだとは知らず | 新葵 |
| ふんわりと息を洩らして白鳥来る | 道草 |
| 暗雲や白鳥一羽飛びたたず | おにかます |
| 冬夕焼駄菓子屋の前賑わう | おにかます |
| バクダンをぽろぽろこぼす小春かな | 常盤 |
| 虎落笛駄菓子屋跡を吹きぬけて | 新葵 |
| 吸入器外して食らふ駄菓子かな | 真田虫 |
| 駄菓子色の町組み立てる神奈月 | 道草 |
| 手袋で駄菓子ほおばる帰り道 | 藻杏 |
| 気を抜くと眼鏡が来るぞ落葉焚 | おにかます |
| ボーナスをあてた必死の伊達眼鏡 | 新葵 |
| 丸メガネ祖父の面影暮早し | 常盤 |
| 青空や眼鏡割れたる雪合戦 | 藻杏 |
| 雪女指を伸ばして眼鏡取る | 真田虫 |
| 焼(く)べてしまえ赤い伊達眼鏡なんて | 道草 |
| 息はずむ馬ながめたる枯蟷螂 | 常盤 |
| 馬走れ夢追先は光あれ | 止無突 |
| 寄鍋にひょいと紛ぎれし馬の骨 | おにかます |
| 出馬前白き鼻息今朝の冬 | 藻杏 |
| 勝牝馬湯気立つ胴の艶めいて | 新葵 |
| 馬の背の霙(みぞ)れて荒き音すなり | 道草 |
| 山下りて焚火を跨ぐ赤兎馬 | 真田虫 |
| オリックス双子阪神大震災 | 真田虫 |
| 隙間風末の赤子は双子なり | 新葵 |
| 冬の坂くちぶえ吹かば双子に会う | 道草 |
| 水洟や双子を抱いた母強し | 常盤 |
| 冬の朝いびきステレオ双子かな | おにかます |
| 肩並べ膝掛一つ双子かな | 藻杏 |
| マッチ消し一つ床にて夢の続き | 亜桃翠鸞 |
| 空っ風マッチ三本糖尿病 | 常盤 |
| マッチ擦り解き放たれし神の旅 | 藻杏 |
| 燐寸潰し青きジャケツの子を待ち居り | 道草 |
| しまいこむマッチ箱カタと指先を打つ | 歌葉 |
| 酷寒に泣きて山なすマッチ屑 | おにかます |
| 風花を照らすマッチの灯かな | 真田虫 |
| 着ぶくれているがあだ名はマッチ棒 | 新葵 |
