俳句披講 ― 第21回の句会で詠んだ句です。 ―


第21回句会
2007年10月21日の句会です。阿佐ヶ谷。
| 朝寒や携帯電話ふるえてる | 常盤 |
| 鶏頭花トンガリ峰に似たりけり | |
| 階段をひとつ下れば天高し | 虹鱒 |
| 秋の声デパートかこむおしゃれさん | 常盤 |
| さんま食う女の光る夜がきた | 虹鱒 |
| 秋暁に答求めて窓開ける | 新葵 |
| 朝空のとりわけ高し四谷駅 | 新葵 |
| 秋祭道いっぱいに人溢れ | |
| 肌寒しケータイのなき帰り道 | おにかます |
| 秋深し日向を選ぶ散歩道 | 新葵 |
| おまんちょぱん三度となえる夜は長い | 虹鱒 |
| かりがねや群立したるビル抜けて | 道草 |
| 洟垂れてつれぬ布団を見つめけり | おにかます |
| 見上げれば雲と風との絵画展 | |
| ごぼう堀り先端までは引ききれず | 布佐 |
| 鰯雲日向でつまむくじら缶 | 常盤 |
| 秋高しいつか挫折も霧散して | |
| 青い空高なる心試そうと | |
| 路地の妻手持ち無沙汰に猫じゃらし | 道草 |
| 秋あはれ携帯電話持たぬ日々 | 道草 |
| ケイタイは持たずにゆくぞ秋麗 | |
| 天高し我が子を撫でる梢かな | 真田虫 |
| 秋夕焼泣いて惜しんだ童かな | おにかます |
| 天高し豪州に写メ贈る友 | 虹鱒 |
| 秋夕焼心燃やして沈みゆく | |
| 糸瓜忌やカリーを食べて孫笑う | 道草 |
| 灯り消え湯船に浮かぶ文庫かな | おにかます |
| 空腹に鵙の早贄ながめてた | 常盤 |
| 秋すさまじ鬼の出てくる話する | 虹鱒 |
| 携帯と言葉選びの小望月 | 蓄膿 |
| 櫓田(ひつぢだ)の青青繁り鳥遊ぶ | 布佐 |
| うつぶせによだれながるる天高し | 常盤 |
| 殺してと願う晩秋薄手かな | |
| 仕事なし落ち葉拾うも家八分 | 蓄膿 |
| 待ち人は来ずと悟る目露もみじ | |
| ベル鳴らす天の高さを口実に | おにかます |
