第20回句会 神楽坂のドトール

2007年10月8日の句会です。
たらたららきはちすつたう秋の雨くらら
出戻りの娘やクリップで柿を干す道草
秋雨にきんもくせいは匂いだけ常盤
橋の上橋の下にもあきつかな道草
人工の島に来しトロピカルな秋新葵
秋高しクレヨンで書く俳句かな道草
還暦の夜業見つめる紙挟み新葵
秋晴れや明日(あした)を思う男たち常盤
クリップや紙束つねるキッチキチくらら
体育の日に植物の勝りおり虹鱒
思考止む窓辺の頭痛秋黴雨(あきこさめ)新葵
長雨が季節を運ぶ秋の空くらら
秋の雨停泊ゆるす昼間かな虹鱒
クリップの散らばる音に露おちて常盤
秋声やクリップ並べる孫の指藻杏
首振りて雨風拒む秋桜くらら
水引や点々ててん弾みたるくらら
四五回も跳ねりゃへたれるいなごかな常盤
秋寒に食虫草の視線あり新葵
背を向けし金木犀の姿なほ藻杏
コスモスのうなだれて咲く夢の島虹鱒
夢もなく夜食もなくて笑い合う道草
児の靴もぐずる体育の日の雨新葵
いただきます君が目となり鼻となり常盤
秋霖や襷(たすき)ひきづる児ら遙か道草
多国籍軍大きな栗の木の下で虹鱒
曇天に色なき風の動きあり藻杏
クリップでとめておくよ秋の空虹鱒
空部屋に響き渡りし秋の雨藻杏
遠く遠く行く人を見て曼珠沙華藻杏