第18回句会

2007年8月5日の句会です。新宿歌舞伎町・御苑
草踏む足蟻の這う足蟻の足真田虫
氷水溶け落ちて蟻にご相伴新葵
蝙蝠や夕の熱風吸いひらり新葵
ヒロシマ忌耳いっぱいのがらんどう道草
小休止とらば跣に蟻のぼる晴想
汗を吸いコースターじっと話聞く新葵
草の海炎天の下足濡らす真田虫
沸き上がれ絶望墜ちろ欲望止無突
印象は水面におとす百日紅虹鱒
暑き夜にカラス鼠を喰い散らす藻杏
日陰咲く新宿御苑に涼求め真田虫
大花火音だけ聞こゆ年増の部屋新葵
夏の山ぬけてぞ走る青の海藻杏
発ってしまう自身見つめる夏きたりおにかさご
人生を棒にふりたる街酷暑道草
あてどなく汗を流す歌舞伎町来る晴想
夏の夕すすむビールと増す説教晴想
新宿は御苑のあたり夏落ちる虹鱒
芝生踏む跣足は海を想い居り道草
歌舞伎町乞食の汗も涙とも道草
一本の喜びもなしバラ炎ゆる虹鱒
亡骸を砕いて探す蝉の声真田虫
眠らざる街の戦よアンタレス藻杏
花も実も切り売りされて夏の果道草
1年はあとまわしコールマンの水新葵
清貧と扇風機まわし夜風待つ晴想
我思う虚霊不昧虚無咲く止無突
芝生ゆくげに水馬道はなし虹鱒
蝉時雨背負う背中の汗さえ涼し晴想
薄青に裸児なでし窓の月藻杏
公園に鬼殺し待つ西日かな常盤
ビル群れて無機質な影栄える雲木立
夜の蝶真昼に客寄せ羽を灼く晴想
蝉時雨前後左右の奥手前真田虫
東北の列車に揺れる草田男忌藻杏