第17回句会

2007年7月29日の句会です。高円寺のカフェにて。
妻の汗花活け替えし事故現場新葵
ご自慢の競泳パンツだけ残る道草
雷鳴に話題の変わる投票所新葵
白球を追いつつ膝の汗疹掻く藻杏
晩酌や空蝉揺れる枝の先常盤
水風船かぶり合いたる幼なじみ道草
バス停の事件は蝉の声の中新葵
青空やのら人間の覚悟なり新葵
食卓のもやし腐らず蝉の声おにかます
ソーダ水ついては浮かぶ愚痴の午後藻杏
朝蝉や夢にかまける寝顔かな藻杏
喫茶店看板娘の衣替常盤
ででむしや手招く黄傘の三つほど藻杏
フロートで青空を待つYon chome新葵
赤らんだ顔背でかくす二人乗りおにかます
玉葱やごろつかたまり座談会藻杏
かくかくしかじかまるっと三角よ止無突
給仕婦の肌の揚羽や氷水道草
受話器置き一番蝉聞く木曜日新葵
初蝉や何も怖れずペダル漕ぐ道草
お揃いで衣に浮かぶ汗模様おにかます
黒雲に睨みをきかす青田かな常盤
夕立ちやまぶたにはなに落ちにけり常盤
雷鳴や会話もとぎれとぎれなり
にわか雨通りすぎれど喫茶店
夏休みおれのブランコ子にとられ
手荷物を傘の変わりやヒキガエル

第17回句会 ― その2

軽くお酒も回って日も暮れて、ヨイヨイで2回目。
八月に置いてかれまじと髪を切る椿丸
走り梅雨ロングスカート濡れて居り道草
口角の泡を飛ばして夏休み道草
俺、今、海だけのメール虹鱒
俺のいるビヤガーデンに理由無し道草
酒瓶を抱え見知らぬ帰り道おにかます
半夏生静かな股間女寝る虹鱒
初盆の真夜中すぎて墓熱し虹鱒
のびきった索麺に夏流しけり虹鱒
プール裏よからぬ噂の飛び交いて新葵
海開き水着の視線飛び交いて椿丸
白シャツを干す間のテレビつけにけり藻杏
女王になれぬ蜂どもかみ殺す藻杏
股間ドカン鯰はいつも笑ってる道草
日本一ビール残りし優勝旗常盤
股間うく両手ににじむ油汗常盤
黒かみのおさげの太き西日かな常盤
夏の風ロングヘアーが鼻かすめ常盤
夏の星横ぎるアームストロングおにかます
日沈みて動き始める古屋敷おにかます
大南風我の股間に虹かかるおにかます
炎天の川原にのびるロングスロー虹鱒
脳天の泡にまみれる麦の酒虹鱒
夏休みおさげ髪には付き合うよ虹鱒
うどんうどん胡瓜うどんや貧家族新葵
理由もなく浮き足立てる夏祭り椿丸
東京の戦士に涼しき木陰かな椿丸
炎天下まみれて踊る野外フェス椿丸
知らぬ顔夕立ち帰りの雨宿り藻杏
日の沈む刻に飛び交う蛍かな藻杏
水着買ふ娘を母は包み込み道草
踊る呑む噴水までは付き合うよ道草
帰り道きゃしゃな手首に金魚かな常盤
荒れた虎犬かみ殺す夏の夜おにかます
つゆ探すうどん待たせし夏の夕おにかます
髪を切る海水浴の三日前新葵
夏祭りきらり火照った顔と顔新葵
夏の朝きらめく尾根の股間かな新葵
夏の砂まみれて気貴しランキング女王新葵
脱サラし泡と消えたよ夏ボーナス椿丸
股間から覗けばさかさの空と海椿丸
股間から思いを馳せし青嵐藻杏
夏バテにうどん一束ゆでてみる藻杏
飛魚や前横ぎりて水しぶき藻杏
東京の冷索?逃避行道草
のびきりしうどんにからむおくらかな常盤
真夜中に動き始める虫の群常盤
青と白雌雄決して日本一おにかます
夏ボーナス明後日だからとつけにする新葵