俳句披講

第88回句会

2013年03月31日の句会です。
国立奏にて春カウリスマキ
「パラダイスの夕暮れ」
ガソリンの給油してをり鶯と道草
サングラス心模様をかけにけり虹鱒
早春の都会に唾を垂しおり常盤
寄り添いし側に菫の咲いており常盤
静けさを追い抜いて来し四月馬鹿呼雲
貧するを受けいれるよな春の闇呼雲
エイプリルフールに求婚してYes虹鱒
花冷えて燃えるゴミの日月曜日白楓
春昼や黒のネクタイ選びおり呼雲
東風(こち)吹くやびにいる袋がなりおり白楓
春眠の止まらぬレコードプレイヤー虹鱒
レジの妻くわえタバコのまま長閑道草
花疲れ洟のまま寝る女呼雲
春塵も煙草ものみて肺の春白楓
春泥に打ちのめされし労働者道草
春めくや鼠のごとく早歩き道草
レシート紙夜は散りゆくおぼろかな白楓
会いたくて会いたくて蹴る春の土常盤
三月を捨ててカウリスマキだけ持って虹鱒
恋人の煙草を吸って春の夕暮れ虹鱒
足の爪念入りに切る四月来る呼雲
楽園を見おとしたまま春に入る常盤
春雨やしゃべりすぎたと目を逸らし常盤
いいわけはパラダイスで聞くついて来い虹鱒
逃水やハネムーン船の旗高し白楓